9月24日からのアンケートのまとめです。

「ガクチカ」という略語について伺いました。
就職活動に関連して使われる「ガクチカ」という言葉、分かりますか?
分かる 7.1%
分からないが、聞いたことはある 7.3%
分からないし、聞いたこともない 85.6%
やはり、と言うべきでしょうか。「分からないし、聞いたこともない」という人が8割超を占めました。質問をした当方も、新聞に載った学生版「サラリーマン川柳」で初めて目に留めた言葉ですので、違和感のない結果です。とはいえ未知の言葉に触れるのは興味深いものですし、アンケートによって初めて意味を知ったという人がいてもよいだろうと考え、伺ってみたものです。

就職情報会社のマイナビによると、「ガクチカ」は今年の就活生の間で最も流行した就活用語とのことです(こちら)。意味は「面接でよく聞かれる『学生時代に力を入れたこと』の略」。面接で話すことがパターン化するのは当然のことかもしれませんが、学生は「ガクチカ」のネタを何とか仕込んで、うまく使い回しているのだろうと想像されます。流行した用語としてほかに挙がっているのは「お祈り」「サイレント(お祈り)」「ES」「オワハラ」など。意味が気になる場合には当該サイトをご覧ください。

毎日新聞(東京本社版夕刊)の「キャンパる」という紙面を作っている学生スタッフが、2013年5月に「間違いだらけの就活!」というムックを出しました。その中に「親は知らない就活用語」というページがありますが、「お祈り」「サイレントお祈り」などが載っている一方、「ガクチカ」は見られません。毎日新聞での初出は14年2月、「現代用語の基礎知識」に載っているのも15年版(14年11月発売)からということで、14年ごろから使われ出した言葉と考えてよさそうです。


「毎日ことば」のアンケートでは「ウラジオ」「スケボー」と略語の話題が続きました。それらのまとめで「長いカタカナ言葉は4文字に略す」という法則が引かれていますが、カタカナ言葉に限らず、日本語で略語を作る際には4文字というのが納まりがよいようです。「ガクチカ」はその点で、素直な略し方をされている言葉なのでしょう。ちなみにソーシャルメディアを使った就職活動は「ソー活(そーかつ)」、グループ面接は「グル面(ぐるめん)」など、就活の場面でも略語は4文字に落ち着く傾向があります。

ところで、サラリーマン川柳として紙面に載った句は「『ガクチカ』が辞書に載る日は来るだろか」というもの。ここ数年で就職活動をしたであろう校閲職場の若手5人に「ガクチカ」を知っているか聞いてみたところ、知っていたのは1人だけでした。サンプル数が少なすぎますが、就活生なら誰もが知っている、という言葉でもなかったのかもしれません。来年の新入社員にも聞いてみようかと思いますが、現状からすると辞書に載る日は遠そうです。



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