8月30日からのアンケートのまとめです。

「学生」と呼べる範囲についてうかがいました。
「学生」と呼べるのはどれぐらいの範囲でしょうか?
大学生や専門学校生 69.6%
高校生以上 8.2%
中学生以上 4.8%
学校に所属していればよい 17.4%

まずは選択肢の設定があまりよくなかったことのおわびから。「大学生・専門学校生」というくくりで選択肢としましたが、正確には「大学生・高等専門学校生」とすべきでした。混乱した方がいましたら申し訳ありませんでした。

約7割が「大学生・専門学校生」を選び、学校教育法に沿った使い方をする回答が圧倒的多数でした。学校に通っていればよいとする考え方も2割近くありましたが、中高生から学生と捉えるのは少数派でした。

出題者は、そもそも学校教育法が制定されたのは1947年と最近なので、この法律に合わせて「学生は大学生を指す」などと縛る必要はないと思っていました。さらに法律の区分を持ち出すのであれば、例えば「児童」に関していえば、児童福祉法では18歳未満、母子及び父子並びに寡婦福祉法では20歳未満、労働基準法では15歳になって最初の3月31日を迎えるまで、などと定義がさまざまで、どれに準拠すればよいのかわからなくなるということもあります。

ツイッターでは、「中国語の『学生』は小学生から大学生まで含むと思う。日本語でも同様でよいのでは」とのコメントが寄せられました。中国語に詳しい同僚によると、中国語の辞書でも確かに「中国では小学生から大学生まで全て『学生』と呼ぶ」と記述されているそうです。「新漢和大字典」では、「大学で学問を学ぶ者。大学生」という「学生」の語釈の前に、日本語特有の意味であることを示す「国」のマークをつけています。

英語のstudentは、「米では中学以上の生徒・学生、今では時に小学生をさすこともある。英では大学生をさしたが、今ではそれ以下の生徒にも用いられるようになってきた」とのこと(「ジーニアス英和辞典」4版、2006年)。言語・国によって、また時代によって、一つの言葉でくくられる対象の範囲は変わるのです。

ですが今回のアンケート結果から見るに、学生について「ふつう、中学・高校生は『生徒』、小学生は『児童』として区別する」(明鏡国語辞典2版)捉え方は、現在多くの方に共有されているようです。もちろん「学校で教育を受けている人」(同)全体を指す用法を否定することはありませんが、「学生」とあれば高等教育を受けている年代を思い浮かべる人が多いことに留意し、場合によって「生徒・児童」と使い分けた方がよいということでしょう。出題時の解説で、「学生限定」を「高校生や大学生ら」と修正してもらった例を挙げましたが、これも誤解を招かないために意味のあることだったようです。



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