3月15日からのアンケートのまとめです。
四字熟語「呉越同舟」をどういう意味で使いますか?
仲の悪い者が同じ場所に居合わせる 52.2%
仲の悪い者同士が協力する 34.9%
どちらの意味でも使う 12.9%

どれを選んでも正解、という質問でしたが、多数派は仲の悪いものが「居合わせる」という意味で使うと回答。「協力する」という意味で見出しを付けた整理記者が、使い方に疑問を持ったのも理由がないわけではありませんでした。

この言葉の出典は、古代中国の兵法書「孫子」。元になった箇所を現代語訳すると「呉と越とはもともと仇敵(きゅうてき)同士であるが、たまたま両国の人間が同じ舟に乗り合わせ、暴風にあって舟が危ないとなれば、左右の手のように一致協力して助け合うはずだ」(守屋洋著「孫子の兵法がわかる本」三笠書房)。というわけで仲の悪いものが「居合わせる」「協力する」両方の意味が含まれるのです。

実は出題者は「呉越同舟」を史実に基づいた故事成語だと思い込んでいましたが、仮定の話だったのですね。同書によると「呉越同舟」は「現在では、たんに仲の悪い者同士が同じテーブルにつくといった意味で使われる」が、もともとは兵士を「一丸として戦わせるにはどうすればよいか」という観点から孫子が挙げた例えなのでした。

ちなみに「成語林」(旺文社)には類語として「楚越同舟」という四字熟語も載っていました(「楚」も「呉」「越」同様、春秋戦国時代の中国の国)。周りに敵が多く大変な時代だったことが言葉からもうかがえます。


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