3月2日からのアンケートのまとめです。

前回に引き続き、助詞と動詞のつながりについて伺いました。
前回に引き続き、助詞と動詞のつながりについて。暴行容疑、どう書く?
○○に暴行した疑い 56.8%
○○を暴行した疑い 36.1%
どちらもよくない 7.1%
「○○に」を選んだ人が「○○を」を選んだ人の1.5倍程度となりました。

「てにをは辞典」(小内一編、三省堂、2010年)を見ると「暴行」の項目には「婦女を暴行する」という例が出ています。


この辞典は語用の規範を示したものというよりは、実際の用例のコレクションなのですが、「○○を」が使われる実情を物語っています。

一方で、動詞を自動詞、他動詞と区別している明鏡国語辞典(第2版)では、「暴行」を自動詞としています。


自動詞についての明鏡の定義には「『人にかみつく』のように、対象への働きかけはあるが、『~を』にはならないものも、自動詞とする」とあります。

この考え方だと自動詞の「暴行する」は「~を」にならないので、「○○に暴行する」がよい、ということになりそうです。

「助詞・助動詞の辞典」(森田良行編、東京堂出版、2007年)では対人関係を表す言い方で、「に」と「を」が競合する場合がある、として「息子に頼る/息子を頼る」「弟を行かせる/弟に行かせる」のような例を挙げています。


毎日新聞の用例では「○○に暴行する」が「○○を……」の3倍ほどの件数にのぼり、どちらかといえば「に」を使いたいと考えますが、2種類の助詞が使われても問題がないケースと見なすべきかもしれません。


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