2月第2週のアンケートのまとめです。

2月12日からは、記事に登場するスポーツ選手の敬称・呼称について伺いました。
2月18日の紙面より
スポーツ選手の名前、敬称は必要?
呼び捨てでOK 65.9%
呼び捨ては気になる 34.1%
3分の2の人は呼び捨てでも気にならないとしましたが、3分の1は気になるという結果。気になるという人が意外に多かった、というのが率直な感想です。

毎日新聞も含め新聞社や通信社は、原則として、スポーツ関連の記事では選手の名前に敬称や呼称を付けていません。質問への回答から見える解説でも書きましたが、表現が冗長になるのを防ぐとともに、敬称や呼称で字数がかさんで情報量が減ってしまうことを避けるため、という事情があります。

ただそれだけでなく、新聞社などでは同様の基準を、芸能記事の芸能人、囲碁や将棋の記事における棋士についても適用しています。

こうした記事に登場する人たちに共通するのは、プロとしての技能を人に見せることを職業としている、ということです。その「技能を見せる」という範囲においては、一般的な人間関係で必要とされる敬称や呼称を省くことも失礼に当たらないのではないかと考えます。

ただし、競技の背景となるエピソードを伝える際にはどうするかなど、検討が必要なことがあるのも事実です。



2月15日からは「準備ができていること」を何と言うかについて伺いました。
準備はバッチリ、という言い回し。どちらを使いますか?
準備は万端だ 69%
準備は万全だ 31%
「準備は万端だ」では言葉足らず、「準備は万全だ」をとるべし――というのは校閲記者にとっての「常識」ではあり、当ブログでも以前に取り上げたことがあります(→こちら)。

しかし、それも時代の大勢とは言えなくなってきている、と思わされる結果です。もはや「万端だ」の形で「万端整った」を意味するようになりつつある、と見るべきかもしれません。

三省堂国語辞典は2014年の第7版で、「万端」の項目において俗用と断りつつも「〔『万端ととのう』から誤解して〕ととのっていること。万全。『準備は―だ』」という語釈、用例を掲載しました。
このように不十分な語形が定着していきそうなのは、近ごろでは「万端」が「準備」と一緒でなければほとんど使われないためでしょう。

2008~17年の10年間、毎日新聞に載った記事で「万端」の語を含むものは763件。そこから「準備」を含むものを除外すると37件。似た意味の「用意」も除くと24件、わずか3%です。

準備が整う、というシーン以外で「万端」が使われないとなれば、万端の意味自体が変化するのも無理はないかもしれません。

とはいえ、現時点ではまだ「準備は万端だ」を許容するのは時期尚早。特に文章を書く場合には、「準備は万端整った」か「準備は万全だ」を使うことをお勧めします。



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