アンケートへのご協力ありがとうございます。結果まとめの2回目です。

1月10日から回答を受け付けたのは、今年、すなわち平成30年という年を、平成が始まってから「30年目」と数えるか「30年後」と数えるか、という質問でした。

平成元年は1月8日に始まりました。今年は平成が始まってから……
30年後 8.7%
30年目 91.3%

一般的と考えられる「30年目」を挙げた人が9割を超えました。毎日新聞のルールでも「30年目」と数えます。


毎日新聞用語集には数の数え方を案内する項目もあるのですが、上記の通り「年目」は最初の年を1年目と数えます。

平成元年が1年目、そこから29年後、30年目が平成30年です。当たり前のようですが、数え方というのは実際には迷う場面が多いもの。


記者の書いたものでも「○年目」「○年後」と書いてあるならいちいち数えて確認しますし、ルールから外れた数え方に直しを入れる回数は少なくありません。

1割近くの人が「30年後」を選んだというのも、数え方というものが単純ではないということを示すものでしょう。

そういえば今年について政府は「明治150年」のロゴを使いつつ「平成30年(2018年)は、明治元年(1868年)から満150年の年に当たります」というのですが、満150年なら明治151年と言う方がしっくりくるのでは……。

まあ、数え方というのは難しいものです。


12日から回答を受け付けたのは、広辞苑の発売に合わせた質問でした。
広辞苑の第7版が12日に売り出されました。どの言い回しを使いますか?
12日から発売 21.2%
12日に発売 48.6%
12日に発売開始 30.2%

意見が割れましたが、どれかがはっきり正解という問いではないので、むしろ当然かもしれません。ただ、回答いただいた時の説明では「重複感が強い」とした「発売開始」を3割の人が選んだのはやや意外でした。

「発売」の語は、「売り出すこと」(大辞林3版)、「商品を売り出すこと」(大辞泉2版)、「うりだすこと。売出し」(広辞苑7版)と説明してあり、要するに「売り出す」ことをどう理解するかで、接続する語が決まってきます。

「に」を使うと答えた人は、売り出す=スタート、という意味に比重を置いたのでしょうし、「から」と答えた人は、売り出す=大いに売ること、と捉えているのだと受け止めました。

同じ語を使うにしても、助詞によってニュアンスの違いを出すことができる、と考えるのがよいかもしれません。

「発売開始」についても、重複感があるとはいえ間違いとは言えません。新聞は文字減らしの要請を強く受けるメディアなので、重複感がある語は削ってしまえ、というのは半ば体に染みついた振る舞い方なのですが、一般に重複感というものはさほど気にかけられていないという印象を受けました。

なお、この質問には4000件を超える回答をいただきました。仕事などでよく使う方が多いのか、あるいは広辞苑効果でしょうか。


今回の質問のように、はっきりした「正解」を示すことが難しいものについても、ご意見をうかがっていきたいと思います。

そうした問いからも、現在の言葉の使い方について一端をうかがうことができるなら、私たちにとっても、またブログをご覧の皆さんにとっても、言葉と付き合うに当たってのヒントになるのではないかと考えています。

今後ともご協力よろしくお願いいたします。



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