漢字クイズの代わりに始めたアンケートの集計結果をお知らせします。

まずは「2018年が明けた」という表現は、17年が終わって新しい年になった時に使うと変と思うかという問いかけです。

正確には「17年が明け、18年になった」といえます。「夜が明ける」「休み明け」などの言葉から類推すれば分かるように、「明ける」にはその前の状態と結びつくという用法が一般的だからです。


しかし「新年あけましておめでとうございます」という挨拶は多用されています。また「明鏡国語辞典」(第2版)は「明ける」の語法欄で「夜が明ける」「朝が明ける」、「旧年が明ける」「新年が明ける」など、両方を主語に取るとしています。

そこでアンケートをしてみました。
「2018年が明けた」という表現は……
変だと思う 79.8%
変だと思わない 20.2%

結果はご覧の通りで、「2018年が明けた」に違和感を覚える人がそうでない人の4倍近くになりました。


次に「弱冠●歳」の●に入る年齢として、どんなイメージがあるか聞いてみました。
「弱冠●歳」のイメージは?
20歳 52.3%
16~20歳 34.4%
18~29歳 4%
何歳でも 9.3%

「弱冠」を辞書で引くと、例えば「大辞林」(第3版)では
①〔「礼記 曲礼上」による。二〇歳を「弱」といって元服して冠をかぶったことから〕 男子二〇歳のこと。

②年が若いこと。「彼は――二五歳にしてすでに高名な詩人となっていた」 〔「若冠」と書くのは誤り〕
となっています。本来①の20歳の意味だったのが拡大して②の20歳以外の用法になっているということです。

では20歳に限らず幅を持たせるとしたら、どれくらいが違和感が少ないか。今回のアンケートはそれを調べる意図がありました。

結果はご覧の通りで、20歳が最も多くなりました。本来は20歳という意味ということを踏まえ拡大するのは望ましくないと思っている人が、少なくとも回答を寄せていただいた方には多いことが分かりました。ただし幅を持たせる選択を合算すると、数字はほぼ拮抗(きっこう)します。

「日本語、どうでしょう?」という面白いサイトでは「弱冠」の使用範囲について述べられています。ここでの例示は15歳から34歳までです。そして、

「若冠」という使用例が江戸時代以降、現在に至るまでに見られるようになる。だが、国語辞典では「若冠」を見出し語にしているものはまだ出ておらず

とあります。ところがたまたま「新潮現代国語辞典」(第2版)を見ると【若冠】が誤用例としてではなく掲げられていました。使用例が多く、無視できなかったと思われます。

また、今回ツイッターで「弱冠という言葉は失礼なのでメディアは使うべきではない」という趣旨の投稿がありました。

日本では「弱い」というイメージが強いので他人に使うのは失礼という意見なのでしょう。実際には「まだ若いのにこんなに立派」という使い方で、むしろ褒め言葉のはずですが……。もしかしたら「弱いのではない」という意識が強いことで「若冠」という表記が日本で生まれたのかもしれません。

しかし、誤字は誤字。毎日新聞では20歳以外の使用はあっても「若冠」は認めていません。


アンケートに応えてくださった方にお礼申し上げます。新聞の用語選択などの判断材料とさせていただきますので、今後ともご回答をよろしくお願いいたします。


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