「日」がテーマの〈読めますか?〉の結果は「今日様」(正解率22%)など。こちらはなかなか難しかったようです。辞書には「老人語」とありました。似た概念の若者語などは今も聞きますが、こちらも今では耳慣れません。
〈読めますか?〉結果

この週は「日」がテーマで、「日」の入っている言葉を選びました。



そして敬老の日を意識し、今はお年寄りのみ使っているかもしれない語を選びました。


正解
旗日はたび 78%
きじつ 21%
きにち 1%
「旗日」は30年近く前に入社したとき職場の年配の先輩が言っていました。それまでこの言葉を何かで聞いたことはあったかもしれませんが、使ったことはありませんでした。アパート育ちのため祝日に掲げる日の丸もなかったせいもあるのでしょう。

祝日といえば、「祭日」という言い方はいまも一般的にあると思いますが、法律的には「国民の祝日」といいます。新明解国語辞典(第6版)の「祭日」にはこうあります。
①神社(皇室)の祭りを祝う日。〔狭義では、皇室の祭りである春季皇霊祭《=春分の日》、秋季皇霊祭《=秋分の日》、新嘗(ニイナメ)祭《=勤労感謝の日》などを指した〕②〔神道で〕死んだ日を祭る当日③「祝日」の俗称。
毎日新聞では「祭日」「祝祭日」は「祝日」に直すようにしています。


正解
今日様こんにちさま 22%
きょうび 44%
こんにちよう 33%
次に「今日様」を同辞典で引くと
「太陽」の意の老人語。おてんとさま。
とありました。「今日様」という言葉もそうですが「老人語」というのももう死語かもしれません。夏目漱石の「坊っちゃん」には「うらなり」との結婚話もあった「マドンナ」のうわさ話を宿のおじいさんから聞く場面に出てきます。
「一旦古賀さんへ嫁に行くてゝ承知をしときながら、今更学士さんが御出たけれ、其方に替へよてゝ、それぢや今日様へ済むまいがなもし、あなた」
「全く済まないね。今日様所か明日様(みょうにちさま)にも明後日様(みょうごにちさま)にも、いつ迄行つたって済みつこありませんね」
明日様や明後日様というのは漱石の造語でしょう。それはともかく「おてんとうさまにすまない」という言葉も、もはや使うのはお年寄りだけになっているのではないでしょうか。


正解
日向水ひなたみず 57%
ひゅうがみず 33%
ひむかみず 10%
「日向水」については「消えた言葉」(橋本治編著、アルク)の荒川洋治さんの文章から。
井戸水はそのままではつめたい。タライに入れて日向に出しておくと、お湯とまで  はいかないが、水があたたまって、いい具合になる。これで体をあらう。
タライの中の、ひとときの自由は、鳥のさえずりや葉ずれの音をまじえて、天にこそ、のぞかれていたのである。
逆にいえば、自然と切り離された家の中で風呂に入るようになった現代人は「お日さま」のありがたさは感じにくいかもしれません。しかし、いま太陽光発電という新しい形で日光の恵みは復活しています。それで沸かした風呂は「日向水」の復活といえます。

日向といえば、東(ひがし)は昔「ひむがし」であり、「日」「向」の合わさった語源のある言葉のようです。日本語がいかに「日」の言葉に満ちているか、調べれば調べるほど明らかになります。それもそのはず、日本という国名そのものがそうですから。


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