東日本大震災から6年が過ぎた今夏、震災で閉鎖された海水浴場が「来夏、7年ぶりに再開されるかもしれません」という地元の声があった。震災は2011年で来年は18年だから間は7年、と自動的に頭の中で計算して通り過ぎてしまいそうだ。

しかし11年は営業できなかったのだから、10年→18年で、8年ぶりが正解だった。3・11関連といえば11年から計算、という凝り固まった考えで字面のみを追うと見逃してしまう。

ちょっと立ち止まって思い返したり想像したりする──。誤りと風化を防ぐ方法は案外共通しているかもしれない。


意に添わない計画

映画のあらすじで、主人公が「意に添わない計画に手を貸さざるを得なくなる」。意にそうは「添う」か「沿う」か。


付き加わる意の「添」ではなく、離れず並行する意の「沿」がいいだろう──と直しを書きかけて、手が止まる。意に沿わないとは相手の希望や要求に応じないこと。

大辞泉第2版より

気がすすまないといいたいのなら「意に染まない」と直すのがぴったりだ(大辞泉、明鏡国語辞典など)。漢字の使い分けだけで思考がストップするところだった。


等親と親等

大相撲の話題で「部屋が別でも4等親以内の力士同士は本場所で対戦しない慣例がある」との記述。

しばしば混用されるが、血縁関係の緊密度を示す単位としては「親等」を使うのがよい。等親は「旧家族制度で、家族の階級的序列を定めたもの。夫は一等親、妻は二等親」(集英社国語辞典)だった。

等親を「親等の慣用的な言い方」とだけ説明する辞書もあるが、本来の使い方ではないだろう。
【宮城理志】


「毎日ことば」の本 最近の記事
「毎日ことば」のアカウント 
「毎日ことば」トップページへ
 
Top