「秋の気象」がテーマの〈読めますか?〉の結果は「白露」(正解率64%)など。「白露降る(はくろくだる)」は「しらつゆ」の意味で、二十四節気の「立秋」を三等分した七十二候の次候。二十四節気の「白露」は立秋の次の次にやってきます。
〈読めますか?〉結果

この週は「秋の気象」でした。


秋の気象といえばまず「風」。「古今和歌集」の藤原敏行の歌
秋来(き)ぬと目にはさやかに見えねども風のおとにぞおどろかれぬる
は有名です。平易な歌ですが、「おどろかれ」を今の「驚く」の感覚でとらえてはいけません。突然強い風が吹いてその音にびっくりしていると解釈すると、この歌の繊細な季節感覚は味わえません。ここでは「自然と感じられる」(角川文庫、窪田章一郎校注)というほどの意味のようです。


正解
素風そふう 58%
そぶり 24%
すふう 18%
「素風」の出題時には松尾芭蕉のこの句を紹介しました。
石山の石より白し秋の風
これは石川県の那谷寺(なたでら)で詠まれた句ですが、「石山」というのは近江の石山寺のことで、そこの石より那谷の石の方がもっと白いという情景を詠んだという解釈があります。しかしそれだけでは「秋の風」との関連に深みが感じられません。

加藤楸邨さんも「芭蕉の山河 おくのほそ道私記」(講談社学術文庫)でこう書いています。
私は「秋の風」が那谷の石より白いととりたい。秋風は蕭殺たる感じを持つので、それが石山を吹きめぐることで白さを感じさせるのである。秋は色に配したときは「白」とされることは人の知るところ、白秋、白帝などという漢語もある。
秋=白というのは中国の五行説に基づきます。そして「素」の字には「素人」の語からも分かる通り「白」の意味があります。そこから「素風」が秋風のことを表すようになったわけです。ただ、使用頻度がないぶん正解率が悪くなりました。


正解
白露はくろ 64%
びゃくろ 21%
しろつゆ 15%
「白露」は二十四節気の一つとしての出題でしたが、「はくろ」と読めば二十四節気、「しらつゆ」と読めば露のことと決まっているわけではありません。例えば「大辞林」では「①つゆの美称。しらつゆ」とあり②に二十四節気の意味が挙げられています。

「白露降る」というのは「はくろくだる」と読みますが「しらつゆ」の意味。しかしややこしいことに、二十四節気としての「立秋」を三等分した七十二候の次候でもあります。二十四節気の「白露」は立秋の次の次にやってきます。

実は「白露降る」というのは中国版の七十二候で、日本版では「白露」の初候が「草の露白し」となっています。日本版の方が日本の風土に合うのはもちろん、漢字の整合性があるものになっています。


正解
秋霖しゅうりん 77%
ながめ 13%
あきつゆ 10%
「秋霖」の「霖」は幾日も降り続く雨を表します。仮にこの字を知らなくても、つくりの「林」の音読みと同じですから、素直に読めば当たります。この週で最も正解率が多くなりました。しかし誤りの選択肢「ながめ」も全くの的外れではなく、大辞林で「ながめ」を引くと「長雨」とともに「霖」の字が掲げられています。

9月はまだ雨が多く、同じ意味で「秋湿り」「秋霖雨」「秋の地雨」「秋黴雨(あきついり)」という言葉もあります。いずれも趣深い言葉ですが、時に秋の雨は災害をもたらします。おりしも台風が接近中。くれぐれもご注意ください。

「毎日ことば」の本 最近の記事
「毎日ことば」のアカウント 
「毎日ことば」トップページへ
 
Top