「大分」がテーマの〈読めますか?〉の結果は「耶馬渓」(正解率49%)など。「大分」自体、知らないと難読です。2010年の常用漢字改定では県名に用いる漢字を全て入れる方針でしたが、結局「分(いた)」の読みは入りませんでした。
〈読めますか?〉結果

この週のテーマは「大分」でした。

なぜ大分か、というとあまりたいそうな理由はないのです。ただ考えてみれば「大分」という漢字自体、知らないと難読ではないでしょうか。「分」を「いた」とは読めません。

2010年の常用漢字改定では県名に用いる漢字をすべて入れるという方針が出されましたが、改定に携わった人が突き当たったのは「分」に「いた」という読みが入れられるかでした。結局それは無理ということで、「分」の備考欄に「大分(おおいた)県」と入れることになりました。


正解
由布市ゆふし 92%
ゆうし 6%
よしぶし 2%
「由布市」は「由布院」か「湯布院」かで紛らわしいという校閲的な事情で選びましたが、九州北部豪雨の影響で由布院温泉への観光客が減っているということも意識しました。

ところで「由布院温泉への観光客」は「由」の表記ですが「ゆふいんへの観光客」という場合はどうでしょう。これは地域を指すと思われるので「由布市湯布院町」の「湯布院」とする方がよいと判断できます。「由布院温泉」を略したとすると「由布院」も間違いではありませんが、観光客はすべて温泉目当てとは限らず、例えば先月行われた「湯布院映画祭」のために行く人だって考えられますから。

このような地名表記の揺れについても、毎日新聞校閲グループの本「校閲記者の目」で触れています。ご覧いただければ幸いです。


正解
耶馬渓やばけい 49%
やまけい 44%
やんまけい 7%
「耶馬渓」は出題者自身「やまけい」か「やばけい」かで迷ったことがあるので選びました。日本遺産に今年選ばれた時の名称は「やばけい遊覧」となっています。これはやはり読みやすさを重視したからでしょう。


正解
一尺八寸山みおうやま 28%
ふえふきやま 50%
かさぐもやま 22%
「一尺八寸山」は「日本地名さんぽ」(浜田逸平著、朝日文庫)で見つけました。標高は706メートルで登るのは難しくないのですが、読むのは知らないとまず無理です。果たして今回最も正解率が低くなりました。

調べると、1996年の日本難読山名コンテストで1位になっていました。10位までの結果は以下の通りです。

①一尺八寸山(みおうやま)   大分
②爺爺岳  (ちゃちゃだけ) 北海道
③月出山岳 (かんとうだけ)  大分
④雲母峰 (きららみね)    三重
⑤岨巒堂山(しょらんどうやま) 新潟
⑥阿哲台 (あてつだい)    岡山
⑦梅花皮岳(かいらぎだけ)山形・新潟
⑧本富岳 (もっちょむだけ) 鹿児島
⑨鰻轟山 (うなぎとどろきやま)徳島
⑩後方羊蹄山(しりべしやま) 北海道

つまり、トップ3のうち二つを大分県の山が占めているのです。由来を示す一尺八寸山登山口の説明板には、この山にすむキツネ(イノシシ、ヘビの説も)を捕らえ3尾をつなぐと一尺八寸あったなどと書かれています。月出山岳の由来は、「あの山の名は」と尋ねた景行天皇に、山の方向と勘違いした人が「関東です」と答えたということだとか。

ちなみに、笛の尺八の語源も長さが一尺八寸ということからといいます。

最後になりましたが、一尺八寸山などのある大分県日田市は7月の豪雨で福岡県朝倉市などとともに大きな被害が出ました。遠くから復興を祈るだけでなく、秋の観光シーズンに訪れることも復興に向け私たちができることではないでしょうか。

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