復興相が辞任することになった「大震災が東北でよかった」という趣旨の失言。これを逆手に取って東北のすばらしさをアピールするツイッターが話題になりました。毎日新聞でも4月27日朝刊などで取り上げました。

その原稿中、次の部分が目に留まりました。よく見ると「ハッシュタグ」を示す記号が前と後で微妙に違っています。


どちらが正しいハッシュタグの記号か、お分かりになりますか?

あ、正解の前に、これは縦組みという性格上、いずれも全角ということをおことわりしておきます。どちらかが半角ということではありません。 


正解は、後の方です。


見分け方は、横棒が右上がりになっているか否か。右上がりになっているのは音楽記号で有名な「シャープ」です。

シャープとは、半音上げることを示す記号です。だから記号も右上がりになっているかどうかは知りませんが、横棒が水平の#との違いの覚え方としては分かりやすいと思います。

では#はどう呼ばれ、どう入力すればよいのでしょう。

小学館「句読点、記号・符号活用辞典。」では
# ばんごうきごう【番号記号】
井桁/番号符/ナンバー記号/ナンバーサイン/ハッシュ/クロスハッチ/パウンドサイン/オクトソープ/ダブルクロスマーク
とあり9種類もの呼び名が記されています。

どうやら英語圏でも定着していないようです。パソコンのキーボードでは「3」の位置にありますので、「Shift」キーとともに押せばすぐ入力できます。また「いげた」と打って変換しても出てきます。 

句読点、記号・符号活用辞典。」によると、
#のキーは、米国では“pound key”(パウンドキー)、英国では“hash key”(ハッシュキー)と呼ばれる。“pound key”の呼称は米国で#が質量ポンドの記号に用いられるところから。
だそうです。

ちなみにhashはハッシュドビーフで知られるように「細切れ肉の料理」という意味があります。また「事細かに話し合う」「ニュース」「ゴシップ」などの意味もあるそうです。

電話では「9」の下、「0」の右隣にあります。

よく宅配などの電話の案内で「シャープを押してください」と言われますが、正確にはシャープは右肩上がりの♯ですから違います。でも他に分かりやすい呼び方がないため、シャープと言っているのでしょう。

なお、ツイッターの検索窓でわざとシャープの「♯」を入れて「♯東北でよかった」などの検索をしてみました。ちゃんと「#東北でよかった」のハッシュタグを付けたツイートが出てきました。検索はどちらでも問題ないようです。しかし、投稿するさいは「#」を入れないとタグにならないようです。「#○○」の前後にスペースも必要です。

ツイッターでは一方的な決め付け、悪口、中傷が少なくなく、誤字脱字も目立ちげんなりします。しかしこの「#東北でよかった」「#東北で良かった」にはそういう人を不愉快にさせる文字がほとんどなく、美しい写真とともに楽しませてくれます。ツイッターの模範的な使い方をここに見ることができます。
【岩佐義樹】


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