「茶」がテーマの〈読めますか?〉の結果は「和敬清寂」(正解率55%)など。ところで茶を使った言葉はいろいろありますが、つい連想するのは「そもそも」の意味についての「茶番」です。
〈読めますか?〉結果

この週のテーマは「茶」。新茶が出回る季節ですから。


正解
和敬清寂わけいせいじゃく 55%
わきょうせいじゃく 26%
わけいしょうじゃく 19%
「和敬清寂」は読みというよりは「静寂」の誤字に注意しましょうという意図で選びました。実際「和敬静寂」という間違いはかなりの割合で出てきています。手持ちのパソコンで「わけいせいじゃく」と打つと正しく一発変換します。四字熟語は正しい読みで一気に入力すると誤字になることはありません。


正解
空茶からちゃ 55%
そらちゃ 26%
くうちゃ 19%
「空茶」は中西進さんの近著「ことばのこころ」(東京書籍)で見つけた語です。「手盆」(茶碗などを盆を使わずに、手から手へ受け渡しすること)についての文章の最後に出てきます。
茶にそえる菓子がない時「空茶ですが」といって出す。「菓子はないよ」とぶっきらぼうにいうのではない。「盆はないよ」といわないのと同じで、空茶という一つの茶を考え出したのである。


正解
茶腹も一時ちゃばらもいっとき 82%
ちゃばらもいちじ 10%
ちゃばらもひととき 7%
「茶腹も一時」は「一時」をどう読むかでほぼ三分されるのではと予想していましたが、見事に外れました。あまり使われない言葉と思っていたのですが、意外によく知られたことわざなのでしょうか。出題者は昔、漫画で覚えましたが、何の漫画だったか思い出せません。

さて、茶の字を使った有名な言葉は多くあります。

「お茶を濁す」は「表面だけ取り繕ってその場を切り抜けること」(大辞林)

「茶化す」は「人の話をまじめに受け取らず、冗談のようにしてしまう。からかう。ひやかす」(明鏡国語辞典)

「茶番」というのもあります。「①茶の接待をする人。②〔江戸時代、芝居の楽屋で茶番の下回りなどが始めたからという〕 手近な物などを用いて行う滑稽な寸劇や話芸。 ③底の割れたばかばかしい行為や物事。茶番劇」(大辞林)

つい連想してしまうのは「そもそも」の語について国会で安倍晋三首相が「辞書で調べると『基本的に』という意味もある」と答弁したことに発する一連の「そもそも論」です。

「辞書で念のために調べたんでありますが」などと苦笑しつつ「辞書」を繰り返していた態度自体、まじめに取り合っているように見えませんでしたが、とんでもない展開が待っていました。

どの辞書かという質問に対し、5月12日の閣議決定で「そもそも」は「大辞林」に「どだい」とあり「どだい」には「基本」とあるとしたこと。

さらに26日の閣議決定では、首相が自ら辞書を引いて意味を調べたものではないとしたこと。

この茶番劇に対し、小学館国語辞典編集部の神永さんは「日本語、どうでしょう?」という連載エッセーで反発しています。

そういえば、大辞林でこんな言葉があると知りました。
【茶番師】すぐばれるようなうそをつき、他人をだまそうとする人
多分、官邸としては「首相は『私が辞書を引いた』とは言っていない。だからうそをついたわけではない」とあくまでも擁護するでしょうが、いつまでこんな無茶(これは当て字)な理屈を続けるつもりでしょう。「へそで茶を沸かす」(ばかばかしくてしようがないこと)ということわざも思い出しました。


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