「鳥の慣用句」がテーマの〈読めますか?〉の結果は「犬も傍輩鷹も傍輩」(正解率33%)など。傍輩とは同僚、仲間といった意味。これを使った別のことわざに「傍輩笑み敵」というものがあり、なかなか興味深い語釈がついています。
〈読めますか?〉結果
この週は愛鳥週間にちなんで「鳥の慣用句」でした。あまり関係ありませんが今年は「とり年」でもあります。


正解
池魚籠鳥ちぎょろうちょう 73%
いけびくどり 15%
ちぎょらいちょう 12%
「池魚籠鳥」は「角川必携国語辞典」を繰っていて偶然見つけた言葉です。他の小型辞書では見かけたことがない四字熟語です。同辞典の語釈はこうなっています。
池で飼われている魚とかごに飼われている鳥が、もといた川や山の自由な天地をなつかしむように、地方から出てきて仕官した人は、いなかの田園生活を恋しく思っていよう。
「思っていよう」という文末になんだか執筆者のせつない思い入れが感じられませんか? こういう語を知り、語釈を読むところに辞書を引くのではなく「読む」楽しさがあります。


正解
犬も傍輩鷹も傍輩いぬもほうばいたかもほうばい 33%
いぬもともがらたかもともがら 35%
いぬもぼうはいたかもぼうはい 32%
「犬も傍輩鷹も傍輩」は正解率が低くなりました。
この「傍輩」は手持ちのパソコンでは変換候補になく「朋輩」しか出ません。またことわざとしても辞書などでは「朋輩」という表記の方が多いようです。しかし「朋」は当て字だそうです。「朋有り遠方より来たる、また楽しからずや」(論語)で使われる「朋」とは違い、同じ主人の傍らにいる同僚にすぎないということでしょうか。

それを示すかのような別のことわざが「傍輩笑み敵(がたき)」です。「成語林」(旺文社)の語釈を引くと「同僚同士は、見かけは仲がよいようにほほえみあっていても、内心はねたみあっているものだということ」。もちろん、そんな人ばかりだとは言いませんが。


正解
鳥なき里の蝙蝠とりなきさとのこうもり 91%
とりなきさとのばった 5%
とりなきさとのとかげ 4%
「鳥なき里の蝙蝠」の出題時「中国では吉祥モチーフの蝙蝠ですが、日本ではあまり良い意味ではないんですね」という投稿をフェイスブックでいただきました。京都国立博物館のホームページによると「蝙蝠は、『蝠』が『福』と同じ発音であることから、幸福のシンボルとなる」そうです。勉強になりました。

さて、鳥のことわざに関する思い出話を一つ。2000年に出た「岩波ことわざ辞典」(時田昌瑞著)の中に「鶏は三歩歩くと忘れる」が「一九九〇年代になって言い出されたようだ」とあり、毎日新聞で1985年の漫画にあると疑問を呈するコラムを書いたところ、もっと前からあったという読者の報告を多数いただきました。

それを著者の時田さんにお知らせしたところ、時田さんにも同様の指摘が来ていたそうで、翌年の第5刷から「一九六五年頃の福島の地方誌」に「鶏の三足」という表現があると変わりました。

読者の情報提供は貴重です。昨日公開のブログでも当初、ハッシュタグの記号について「半角の『#』を入れないとタグにならないようです」と書いていたのですが、以前はできなかったが今はできるというツイートをいただき「半角の」を削りました。ありがとうございます。


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