もうすぐ新年度。新入社員、あるいは就職活動で作文やエントリーシートなどを書く学生は、これまで使ってきた仲間内の言葉ではない、折り目正しい文章を書くことが求められます。

たとえば「うれしかった」を丁寧語で何と書けばいいでしょう。「うれしかったです」というのは間違いではありませんが、やや稚拙な感じがします。

このような、文章を書くときに気を付けるべき点を解説した「毎日新聞・校閲グループのミスがなくなるすごい文章術」(岩佐義樹著、ポプラ社)が発売されました。

この「毎日ことば」に掲載された文章を私なりに再構成した部分も含みますが、大部分が書き下ろしです。

どういう言葉を取り上げたか、索引代わりに羅列しましょう。これらの大半が、なんらかの問題を抱える言葉や文字です。何が問題で、どうなれば適切なのか、ぜひ現物で確認してください。

第1章 つながりの悪い文章

許可なく立ち入り、通り抜けを禁止します
届いていなく、
土砂に巻き込まれたり、水害のため損壊した家屋
美しい水車小屋の娘
西鶴や近松のような独創性のない者
うれしかったです
おっしゃられている
ご発言される
お求めやすい
ご利用できます
動きが良く抜け目がない
そぐう
やむ得ない
せざる負えない
新年あけまして
立っている人が「居並ぶ」
若者ではない、妙齢の方々
貯金を切り崩す
高見の見物
一同に会する
喝を入れる
肝に命じる
食料が底を尽く
少年の更正

第2章 たまには文法的に考えよう!

違うかった
魅せる
おもねず
味あわせる
おぼつかぬ
前倒す
出れる
読まさせていただく
知らなさすぎる
自信なさげ
すごい多い
高齢な人
高齢さ
知ってか知らずか
押しも押されぬ
願わくば
するべき。
すべからく新たな挑戦であります
能うる限り
亡き人にささぐ絵

第3章 細かい決まりも通じやすさのため

こんにちわ
来るは来るは
つまづく
一つづつ
恋焦がれる
お話する
訂正でんでん
ご存知
海を臨む
例を上げる
艶々
ドキっと
人間ドッグ
バトミントン
カピパラ
さぼる
だぶる
3度目の正直
約26人程
まだ未定
各国ごとに
満天の星空
校閲なんか
くんだり

第4章 文化庁「国語に関する世論調査」の慣用句にみる誤解

確信犯
悩ましい
ぶぜん
破天荒
姑息
敷居が高い
的を得る
汚名挽回
愛想を振りまく
上や下への大騒ぎ
いやがおうにも
天地無用
枯れ木も山のにぎわい
他山の石
雨模様
寸暇を惜しまず
噴飯もの
失笑

第5章 固有名詞の誤りはこうして防ぐ

安倍普三首相
安部晋三首相
斉藤/斎藤
巳/己/已
傳/傅
王義之
荻/萩
昴/昂
東京都太田区
大平洋
鍛治/鍛冶
祗園/祇園
常盤/常磐
多摩/多磨
祟/崇
密柑
壇密
大阪府伊丹市
東京都武蔵小金井市

本書が、ミスが少しでも(「絶対」とはいいません)なくなるためのガイドとなることを願ってやみません。
【岩佐義樹】


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