「年始」がテーマの〈読めますか?〉で正解率が低かったのは「卯酉」(30%)、「鳥総松」(32%)でした。「去年今年」(47%)は源氏物語にもある古い言葉だそうです。
〈読めますか?〉結果
この週は「年始」でした。

正解
去年今年こぞことし 47%
ゆくとしくるとし 28%
おちこち 25%
「去年今年」は、去年から今年の毎日新聞にも複数引用されたように、高浜虚子の「去年今年貫く棒の如きもの」が年末年始の定番句です。しかしこの句は「棒」が何をさすのかよく分かりません。俳人でもある国文学者、復本一郎さんも「日本人が大切にしてきた季節の言葉」(青春出版社)でこう記しています。
この句の意味、特に「貫く棒の如きもの」の比喩の部分、いま一つはっきりしないのですが、そこがまた関心を呼ぶのかもしれません。発表されたのは、昭和二十六年(一九五一)です。

ところが「去年今年」という言葉、ずっと昔からあるのです。一般的な意味では、文字通り去年と今年、ここ一、二年ということで用いられます。『源氏物語』にも見えます。

正解
鶏旦けいたん 87%
ぴーたん 11%
とりだん 2%
「鶏旦」も新年の季語ですが、あまり句の例は見当たりません。代わりに昨年の毎日新聞コラム「余録」に出てきました。

この「旦」が常用漢字になったのは2010年で、まだ10年もたっていません。それ以前、新聞ではよく「元旦」を「元日」に書き換えていたのですが、単に常用漢字ではないからというより、旦は朝のことだから、1月1日自体に使うのは誤りという認識からきています。常用漢字になって堂々とルビなしで使えるようになっても、元日と同じ意味ではないということは押さえておきたいものです。


正解
卯酉ぼうゆう 30%
うとり 63%
らんしゅ 7%
「卯酉」はこの週で最も正解率が低くなりました。常用漢字ではなくても十二支の漢字として、卯も酉もよく使いますが、音読みはとても難しいとことがこの結果に表れています。なお「卵酒と空目した」というツイートがありました。「卵酒」は冬の季語です。卵は鶏卵だし「酉」の字は本来「酒」との関係が深いので、この「空目」も酉年のはじまりにはふさわしいと思いました。


正解
鳥総松とぶさまつ 32%
とさかまつ 55%
とりおどしまつ 14%
「鳥総松」も歳時記に出てきます。「鳥総」とは「大辞林」によると「梢(こずえ)や枝葉の茂った先。昔、木こりが木を切ったあとに山の神にその梢や枝を折って立てておく風習があった。今も、門松を取り払った跡に小枝を挿す習慣が残る」。しかし門松も立てない家が増えた現代ではまず見かけません。

なお、「暮らしのことば語源辞典」(講談社)に従って「鶏」の語源を記すと「ニハツトリ」つまり「庭にいる鳥」の意味です。昔は「カケ」ともいって、これは鳴き声に基づく名。一方、藤堂明保「漢字の話」では「鶏」の左部分は「ケーケーという鳴き声を表した」と推測しています。英語のcockも恐らく鳴き声からでしょう。世界的に鳴き声の共通項があるわけです。

「分断」などの声が渦巻く年明けですが、世界には共通のことだってたくさんあるはず。ニワトリがその象徴になってくれればいいですね。


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