「山の日」に合わせた漢字クイズで、正解率が最も低かったのは「山懐」(36%)でした。「桟道」(80%)は高めでしたが、唱歌「箱根八里」には「蜀の桟道」や「函谷関」などが出てきます。
〈読めますか?〉結果

この週は11日の「山の日」に合わせ「山」がテーマでした。

Photo by Yasu
正解
山懐やまふところ 36%
さんかい 61%
やまかい 4%
「山懐」が今回最も読みにくい語でした。音読みか訓読みか、言葉を知らなければ判断が付かない熟語の一つです。ちなみに「山間」は「さんかん」とも「やまあい」とも読みます。間に「あい」の読みが常用漢字表にないので、新聞では「やまあい」の場合は「山あい」と表記していますが、「山間」とあると「さんかん」と読ませるべきか「山あい」に直すべきか迷うことが少なくありません。常用漢字のルールに関係ない人でも、読む人のことを考えれば「やまあい」なら「山あい」と書くことをお勧めします。「山懐」に関しても、音読み熟語と思う人が多いので「山ふところ」と表記した方がいいでしょう。種田山頭火の句にもあります。
山ふところの、ことしもここにりんだうの花


正解
翠巒すいらん 42%
すいれん 29%
かわせみ 28%
山頭火(そういえばこの号にも「山」が付きますね)の有名な句に
分け入っても分け入っても青い山
がありますが、連なる青い山を表す熟語が「翠巒」。難しい字ですが歳時記にもあります。知らなくても「鸞」の字は「親鸞(しんらん)」の鸞とつくりが同じだと気付けば推測が付くかもしれません。


正解
懸崖けんがい 83%
かけがい 13%
かけがけ 4%
「懸崖」は簡単すぎるという声もありましたが、3択での83%という結果は必ずしもそうではないことを示しています。いま本来の「がけ」というよりは盆栽や菊の作品名として使われることが主ですので、その方面に関心がなければ言葉自体知らない人が多い可能性があります。「断崖」なら100%近くになったに違いありません。


正解
桟道さんどう 80%
せんとう 15%
きどう 5%
「桟道」も、「桟橋」ならそれこそ簡単すぎるでしょうが、それ以外あまり使われないので読みにくい人があったようです。出題者自身、今回初めてこの言葉を知りました。出題時触れた「箱根八里」も2番まで歌える人は少ないのではないでしょうか。「2番」と書きましたが、岩波文庫「日本唱歌集」では「第二章 今の箱根」となっています。1番に当たるのは「第一章 昔の箱根」。
箱根の山は 天下の険 函谷関(かんこくかん)も物ならず
の歌い出しで、最後が
斯(か)くこそありしか往時の武士(もののふ)
となっています。それが「第二章」でそれぞれ
箱根の山は 天下の阻(そ) 蜀の桟道数ならず
斯くこそありけれ近時の壮士(ますらお)
となります。難しい言葉が多い歌詞ですが、意味も分からずそういう歌を歌うことで自然に子供は言葉を覚えていくものです。そして大きくなって三国志に興味を持つと「蜀の桟道」という言葉が特別の感慨をもって思い出されるでしょう。1番だけでも長い歌ですが、それだけで終わるのはもったいない気がします。

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