〈読めますか?〉結果

この週は「建物」。年末年始のお休みを頂いたため3語でした。

正解
納戸なんど 98%
のうど 1%
なっと 1%
「納戸」は簡単でした。ただ、納という字は常用漢字表の音だけでノウ、ナ、ナッ、ナン、トウと五つもの読みがありますから複雑です。納戸のナンはその中でも特殊な読みのようです。



正解
軒庇のきびさし 58%
けんぴ 32%
のきへ 10%
「軒庇」の庇は庇護(ひご)の庇。だから「けんぴ」という音読みが少なくなかったのは分かるのですが、「のきへ」にも1割の回答があったのはどういうことでしょう。「庇」と「屁」の字がよく似ていることからこの選択肢を設定したのですが、もしかしたらこれを選んだ人も、たぶん違うと分かっていながら出題者のちょっとした遊び心に同調したのかもしれません。もちろん、本当に間違いが出てしまうと笑いごとではすまないのですが。



正解
長押なげし 74%
ながもち 16%
ちょうおう 10%
「長押」。「ながおし」と読んでしまいそうですが、「なげし」の語源については「消えた言葉」(橋本治編著、アルク)の中で建築家・詩人の渡辺武信さんが記しています。

長押という言葉は、長い押材(へしざい)から来ている。太い原木から何本もの材料を取るのではなく、適当な太さの樹木から一本だけ削りだした均整の取れた角材を押角という(この字は「へし角」とも「おし角」とも読まれる)。長押は和室の室内に太い水平線を引いて意匠を安定させる化粧、つまり飾りなので、場所によっては柱以上に目立ち、したがって水平性を強調するようなきれいな柾目(まさめ)を持つ押角を使われることが多いので、この名が生じたのであろう。
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つまり、「おしあいへしあい」にも通じる「へし」の長い物「ながへし」がなまって「なげし」になったということですかね。


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さて、室内ではありませんが、有名な日光東照宮の三猿は長押の上にあります。この「見ざる、聞かざる、言わざる」は子供の成長にとって有害なものには触れさせず育てるべきだと解釈されています。しかし「岩波ことわざ辞典」(時田昌瑞著)には別の解説があります。

三猿の背景には、江戸初期に盛んになった民間信仰の庚申待(こうしんまち)がある。庚申の夜には人が寝ている間に体内の三尸(さんし=三匹の虫)が天に人の罪を告げ、命を縮めるため、申(さる)にちなんだ青面金剛(しょうめんこんごう=猿面)や猿田彦を祭って一晩中起きているというもの。人の罪が天に告知されるのを防ぐ意からか、庚申塚の石塔などにこの三猿が施されているものが目立つ。
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南方熊楠の「十二支考」(岩波文庫)にも

この夜男女の事あるを大罪として天に告げらるるを懼(おそ)れ、なるべく多数集って夜を守るを本意としたのだ。三尸は小鬼の類らしい。それを庚申の三猿もて表わしたというが通説だ。

とあります。この「男女の事」というのはセックスのことでしょうか。とすると、子供には「見ざる、言わざる、聞かざる」と耳・口・目を塞ぎたくなるのも分かります。子供の携帯電話にフィルタリングを付ける親の心にも通じますね。


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