〈読めますか?〉結果

この週は連休のため2回だけでした。

漢字クイズがない日は代わりにツイッターでつぶやいているのですが、敬老の日に「老老介護」は「老々介護」としない方がいいということ、次の休日は職場で( )をパーレンと言っていること、秋分の日には#と♯は違うことを記しました。その流れで記号の呼び方を漢字の問題にしました。



主に参照にしたのは「句読点、記号・符号活用辞典。」(小学館辞典編集部編)。正解率は低くなりましたが、職業用語の一種なので、一般の方は分からなくても何ら気にすることはありません。

正解
角括弧かくかっこ 44%
すみかっこ 30%
つのかっこ 27%

毎日新聞では【 】のことを「亀甲(きっこう)」とよんでいるのですが、本当は亀甲だと〔 〕を表すようです。【 】は「隅付き括弧」だそうです。新聞では〔 〕も[ ](角括弧)もほとんど使わないので、言いやすい「亀甲」で通用しているのだと思います。


正解
双柱そうちゅう 47%
ふたばしら 41%
ならびばしら 13%

=も校閲職場では「双柱(そうちゅう)」と言っていますが、「2本棒」などという人もいます。「句読点、記号・符号活用辞典。」では「双柱」の前に「二重ダッシュ」などと書いてあります。パソコンでは出しにくいのでここではイコールで代用していますが、毎日新聞ではつなぎの符号としてイコールと違う記号を使っています。非常に細かい違いなので、並べてみないと分かりません。「句読点、記号・符号活用辞典。」にある該当項目を並べてみました(上の写真。小学館さん、無断で切り張りしてごめんなさい。でも宣伝もしますから)。
句読点、記号・符号活用辞典。

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この本は記号の呼び名や使い方、パソコンでの入力法があって役に立ちます。例えば「ゞ」はどう打てばよいか。「おなじ」か「くりかえし」と打って変換すればいいのです。まあ「いすず」と打っても変換すると思いますけど。それだけでなく、「ゞ」は今も子どもの名前に使えるということが分かります。ちなみに「々」(同の字点)や「ー」(長音符号)も命名に使えます。しかし句読点は不可なので「弘、」なんて役所では当然受け付けてくれません。「藤岡弘、」の芸名には「、」が付きますが、本名ではないことはいうまでもないでしょう。

――などという雑学的知識も面白いのですが、記号には職業上感じる怖さもあります。新聞で時にやってしまうのが、カッコの初めがあるのに閉じるカッコがない、あるいはその逆という失敗です。締め切り間際に編集者が急いで原稿を削ったときなどに発生します。井上ひさしさんには「括弧の恋」(新潮文庫「言語小説集 」所収)という、記号を擬人化したばかばかしい短編がありますが、カッコ同士が泣き別れになるという事態は全く笑い事ではありません。
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また「、」の位置で意味が変わってしまったり、「。」が抜けて意味不明な文章になったりする場合もあり、記号は文字と同じく、校閲にとっておろそかにできないものなのです。
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