漢字クイズ(テーマ・七夕)結果

回答割合は次の通り(出題日は7月6~10日、★が正解)。

文月あやづき11%ふづき★88%ぶんげつ1%
相会するあいかいする★68%さがいする10%そうかいする22%
機屋きや1%きおく2%はたや★97%
天人女房あまとにょうぼう18%てんじんにょうぼう25%てんにんにょうぼう★57%
瞿麦からすむぎ64%けし17%なでしこ★18%

この週は「七夕」でした。
by Takashi Hososhima
最も簡単なのは「文月」と予想していましたが、「機屋」が最も正解率が高くなりました。「機=はた」は常用漢字表にある読みとはいえ、現代人はあまり使わない言葉と思っていましたが……。七夕=棚機なので、「はた」の読みの連想が働きやすかったのでしょうか。

金田一春彦著「ことばの歳時記 」(新潮文庫)は一日ごとの言葉の話題を集めた本で、7月7日のタイトルは「機(はた)を織る」です。
群馬県や長野県では「織る」はオを低くルを高くいって、はっきり「折る」と言いわける。考えてみれば、東京の人にとって、機を織るということは生活の中にはいっていない。いわば文章語だ。一方、群馬や長野では、日常生活上ごく親しいことばだ。だから正しいアクセントの伝統は、このことばに関するかぎり群馬や長野のいい方に生きているにちがいない。
同書には「文月」の語源に触れた文章もあります。
もし、この月名がタナバタと関係があるとすると、牽牛(けんぎゅう)、織女を祭る習俗は中国伝来のもので、王朝時代の人にとっては、まだ多分に異国情緒を楽しみながらの遊びだったので、「文月」という名称もハイカラな感じがしたことであろう。
しかし金田一さんは異説を紹介するのも忘れません。
大槻文彦博士は、「みな月」を水田の月と解した行き方を進めて、「ふみ月」は、稲の穂がふくらみはじめる月、「ふふみ月」の転だろうと解された。
なるほど「水無月」とは書きますが、旧暦6月は梅雨は明けていたとしても台風も来るだろうし「水が無い月」とは言いにくい。漢字は当て字だとすると、「ふみ月」も稲作との関係に着目した語源説に軍配を上げたくなりますが、結局はっきりしないようです。
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「相会する」は七夕についての文献で何度か目にしたのですが「そうかい? そんな熟語あるのか」と個人的に気になっていた語です。調べた範囲では漢和辞典にもないし、「あいかいする」らしい。しかし国語辞典を何種類か見ても見つからず、日本国語大辞典(小学館)でようやく見つけました。大方の辞書が採用していないのはなぜでしょう。意味は分かるし、単に「会う」で済むから一般語としては必要ないという判断かもしれません。でも何と読むのかを確認するためだけでも、採録してほしい言葉と思いました。

「天人女房」は「てんじん」か「てんにん」かがポイントですが、「天女」は「てんじょ」ではなく「てんにょ」です。「にょ」が「にん」になったという覚え方もあるかもしれません。

柳田国男「犬飼七夕譚」(講談社学術文庫「年中行事覚書 」所収)に天人を呼び寄せる花として出てくるのが「瞿麦」。これは難読です。果たして今回最も正解率が低くなりました。加納喜光著「植物の漢字語源辞典」によると、日本でいうヤマトナデシコは中国で薬用とする瞿麦の変種。瞿麦に麦の字があるのは「実が麦に似ているから」といいます。サッカー女子のなでしこは大和撫子というよりは、踏まれても成長する麦に近いかもしれません。
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