漢字クイズ(テーマ・竹)結果

回答割合は次の通り(出題日は5月11~15日、★が正解)。

竹酔日たけえいび16%たけよいにち15%ちくすいじつ★69%
淡竹うすだけ47%しろたけ19%はちく★35%
真竹しなちく11%しんちく13%まだけ★75%
竹光たけつや6%たけびかり4%たけみつ★90%
麻竹あさだけ33%まだけ27%まちく★40%
この週は「竹」。5月11日が「竹」の詩で有名な萩原朔太郎の忌日であることと、陰暦ですが5月13日が「竹酔日」ということにちなみます。

その「竹酔日」ですが、夏の季語で、同じ意味で「竹植うる日」「竹迷日」「竹誕日」などが歳時記に載っています。しかしなぜ竹を植えるのによい日が「酔」なのか、漢和辞典をみても分かりませんでした。移植された竹が酒に酔ったように場所が変わったことに気づかず根付くことから、という説があるようですが、今のところ確かな文献で確認できていません。確かに、泥酔して電車に乗ると自分がどこにいるか分からなくなることはよくありますけれど……。

「淡竹」はこの週で最も正解率が低くなりました。これも由来がはっきりしない語です。明治時代の辞書「言海」には「淡」のほか「葉竹、端竹、早竹、半竹、ナドト書ス、或云、白竹ノ略」とさまざまな字が挙げられています。いずれにせよ「淡」にハという読みはありませんので当て字と思われます。

「真竹」は「しんちく」が多いのではと予想していましたがよく読めています。ちなみに今もっとも普通に見られる竹の「孟宗竹」は本来「もうそうちく」が正式ですが、「もうそうだけ」を併記する辞書も出てきています。昔見た野田秀樹さんの芝居に「孟宗ダケ」と「妄想だけ」をかけたものがありました。

「竹光」は時代劇が民放テレビでほぼなくなったので若い人は知らないかもと思っていましたが、今回最も正解率が高くなりました。

「麻竹」は一般的に使われない語ですから半数以上読めなかったのは無理ありません。しかしメンマに使う竹だと知ればぐっと親しみが湧いてくるのではないでしょうか。

さて、萩原朔太郎には「竹」と題した詩が二つあります。その一つの一部。

かたき地面に竹が生え。
地上にするどく竹が生え、
まつしぐらに竹が生え、
凍れる節節りんりんと、
青空のもとに竹が生え、
竹、竹、竹が生え。

病的なイメージの多い詩集「月に吠える」では異色の、みなぎる力を感じさせます。この竹の生命力が古来貴ばれ「松竹梅」の一角をなしているのはご承知の通り。しかしタケがイネ科というのはご存じでしたか。だから、いくら堅くなっても「幹」という用語は専門的には不適切らしく、辞書には竹の「茎」とするものがあります。しかしそれも違和感があるせいか「稈(かん)」と書かれたものが多く見受けられます。稈は「竹・稲・麦・黍(きび)などイネ科植物に見られるような、節と節の間が中空の茎」(大辞林)。稲の茎も中空というのは知りませんでしたが、竹が中空というのは昔から知らない人はいなかったでしょう。

この中空ということは「竹取物語」で重要な要素です。月の人であるはずのかぐや姫がなぜ竹から生まれてきたのか解せなかったのですが、角川文庫の「竹取物語(全)」には「この空間は、異界と人間界とを結ぶ交通路なのだ」と解説されています。天へと伸びるような竹の中には月へ通じる通い路があると古代の人は考えたのでしょう。日本初のSFともいえるコスモロジーですね。
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