漢字クイズ(テーマ・金品)結果

この週は「金品」というテーマ名にしましたが「年度替わり」としてもよかったかもしれません。

回答割合は次の通り(出題日は3月30日~4月3日、★が正解)。
はなむけ★34%まいない43%わがまま23%
出納しゅっとう3%すいとう★96%だしのう1%
棄捐令きいんれい12%きえんれい★71%きそんれい17%
増俸ぞうほう★44%ぞうぼう33%ぞうぽう23%
宛行扶持あてがいぶち★76%あてゆきぶじ7%えんこうふじ17%
「贐」は今回最も低い正解率となりました。確かに難しい字で、新聞では使いません。一般的にも見たことがない人が多いと思うのですが、今使っているパソコンでは一発変換。餞別(せんべつ)用の袋に書いたりするのでしょうか。出題の意図としては「読めますか?」を問うというよりは、校閲としての注意事項をいいたいことにありました。つまり、「新入生にはなむけの言葉を贈る」は誤用で、「花向け」は誤字です、ということです。

「出納」は最も高い正解率。「しゅつのう」とも読めることを複数の辞書が記していたので紛らわしい選択肢がなくなり、知らなくても正解できたかもしれませんが、社会人なら知っておくべき語と思われます。なおツイッターで「この字で『すいどう』さんがいます」という報告がありました。

「棄捐令」は歴史用語で、「捐」もあまり見ない難読字ですが、その割によく読めています。解説で「捐は常用漢字ではないので『棄損令』に書き換えるのが原則……というのはウソです」とふざけたのは、エープリルフールにちなんだジョークです。しかし日本の財政の借金は冗談ではなく膨らむ一方。棄捐令でチャラにするわけにもいかず、困ったものです。

「宛行扶持」も歴史用語の一種ですが、今も用いられます。先月毎日新聞での連載が終わった野坂昭如さんの「七転び八起き」では「あてがいぶちの最低限の生活は保障されたとしても、頼りを必要とする時に誰もいない」などと使われています。

「増俸」はちょっと意地悪な問題です。選択肢の「ぼ」と「ぽ」って、ウェブ上で見分けがつきにくいですよね。しかし「ほ」が正解で、濁点や半濁点は間違いなので、見分け違いによる選択ミスは少ないのではないでしょうか。だとすると、44%という正解率は考えさせられます。「増俸」は毎日新聞では大昔の記事(写真は1952年2月26日都内版の例)にしか見つからないので問題ないのですが、「減俸」「年俸」は今でもよく使います。「ぞうぼう」と濁点を選んだ人は「減俸」「年俸」を「げんぼう」「ねんぼう」と濁音のつもりで入力している可能性が高いといえます。すると、校閲・校正者はご存じだと思いますが、「減棒」「年棒」というよくある誤字のもとになるのです。

正確な読みを知っていると、速く入力できるだけでなく誤字をある程度防げることにもつながります。ということで、今年度も「読めますか?」で正しい読みを確認していただけると幸いです。
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