漢字クイズ(テーマ・ひな人形)結果

回答割合は次の通り(出題日は3月2~6日、★が正解)。
天児あまがつ★63%でんこ18%てんじ20%
這子はいこ21%ほうこ★39%ぼっこ40%
芥子雛あくたびな8%からしびな19%けしびな★73%
内裏雛おびな4%だいりびな★94%ないりびな2%
有職雛うしきびな34%ゆうそくびな★59%ゆしょくびな8%

この週は「ひな人形」がテーマでした。
ご存じの通り、「ひな」は鳥のひなのことも指します。漢和辞典によると「雛」の字を人形に使うのは日本的用法らしいです。

日本国語大辞典によれば「語形として『ひいな』と『ひな』があるが、『ひいな』が人形の意に限定されているのに対し、『ひな』にはひよこ、小さいなどの意もある」「中古においては『ひいな』『ひな』で意味が分化していたことも考えられる。『ひいな』はその後衰退していくが、それに伴って近世には『ひな』が人形の意も表わすようになる」「『ひなにんぎょう』の名称も近世に生まれたものである」。

なぜ鳥に使われた「ひな」が人形の意も表すようになったかは分かりませんが、きっと、小さくてかわいいものという共通項で同じ呼び方になったのでしょう。「ひな」という響きは近年の女の子の名前としても好まれています。

さて、ひな人形の原形の一つはおはらいのための人形(ひとがた)だったということです。そのうち「天児」は日本の人形の原点、「這子」は縫いぐるみの祖型ともいわれているそうです。なるほど「這子」の画像を見ると、「ふなっしー」にちょっと似ているではありませんか。漢字の読みは今回最も難しかったのですが、形としては日本人にずっと愛されてきたようです。

最も高い正解率だったのは「内裏雛」。この読みは簡単すぎると思って仕込んだのが「おびな」の選択肢です。サトウハチローの「うれしいひなまつり」の歌詞も誤っていたように、「お内裏様=男(お)びな」という誤解が流布しているからです。もっとも、このひねりすぎた選択肢に引っかかった人はさほどいなかったのですが。

「芥子雛」の「芥子」はここでは極めて小さいものに付ける接頭語的な役割です。「けしつぶ」も小さなものの例えですね。

「有職雛」の「職」を「そく」と読むのはなかなか難しいようです。ただ、普通に「ゆうしょく」と読んでも実は必ずしも間違いといえません。というのは、日本国語大辞典の「ゆうそく」には次の記述があるからです。

「『有識』『有職』と表記されている用例は『ゆうしょく』か『ゆうそく』か読みが明らかでない。古辞書類は『ゆうしょく』とあるものが多いので『ゆうしょく』と読むべきかとも思われるが、便宜、慣例に従って本項におさめた」

しまった――と、ここで今初めて2012年「有職故実」を出題したときの不行き届きに気づきました。「ゆうしょくこじつ」を誤りの選択肢としてしまったのです。同辞典も「有職故実」は「ゆうそくこじつ」しか載せていなかったので安心して「ゆうそく」自体の注記を見なかったのが失敗でした。まあ、この漢字クイズは現代における標準の読みを正解扱いしているということで、なにとぞご容赦ください。
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