漢字クイズ(テーマ・マッサンと酒造り)結果

この週は「マッサンと酒造り」でした。いうまでもないでしょうが、マッサンとは今期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)のタイトルです。その主人公はニッカウヰスキー創業者、竹鶴政孝とその妻リタをモデルにしています。

回答割合は次の通り(出題日は1月19~23日、★が正解)。
生酛きざけ26%きもと★70%なまもと4%
拘るかかる8%こだわる★91%とがる2%
破れ鍋やぶれなべ10%やれなべ19%われなべ★71%
急くいきせく3%せく★96%はじく1%
到る処青山有りいたるしょせいやまあり0%いたるところしょうざんあり9%いたるところせいざんあり★91%

「マッサン」には毎週、「週タイトル」と呼ばれるサブタイトルが付きますが、いまのところ全てことわざになっています。ことわざを朝ドラのサブタイトルにするのは1984年の「ひまわり」(主演・松嶋菜々子)以来珍しくないようですが、今回は外国人がヒロイン。日本語を学ぶのに合わせ、私たちも忘れかけたことわざを学びなおすような気持ちにさせられます。

「人間到る処青山あり」は、主人公が新天地・北海道に移住する週のタイトルですが、「青山」とは墓地のこと。モデルとなった竹鶴夫妻の墓は北海道・余市にあります。ことわざの意味としては、「どこでも骨をうずめる場所はあるのだから、今の場所から出て活躍しなさい」という趣旨なのですが、「青山」の意味まで考えると暗示的なタイトルといえます。

「急く」は「急いては事をし損じる」。ことわざとしては簡単としても「急く」単独ではどうかという出題でしたが、この週で最も正解率が高くなりました。

「破れ鍋に綴じ蓋」の「破れ鍋」は以上二つよりは読みにくい結果となりました。常用漢字表で「われる」といえば「割れる」しかないし、「破れ」と書けば「やぶれ」としか読めないという事情もあるでしょうが、このことわざを知っていれば正解できると思われるので、あまり使われなくなっているのかもしれません。

以上が週タイトルからで、それだけではクイズとして無理があったので、「マッサンと酒造り」に関わる他の言葉として選んだのが「生酛」と「拘る」です。

「生酛」は今回最も正解率が低かったのですが、それでも70%ですから、この週は全体的にやさしかったといえます。「酛」は「国字」つまり日本製の漢字です。日本酒のみに使われる字といっていいでしょう。

「拘る」。「こだわる」の意味が変わっていることは、しばしば言葉についての話題に取り上げられます。本来「つまらないことにこだわる」という使い方だったのに、今は「素材にこだわる」など良い意味に変化しているということです。「拘る」「拘泥る」という漢字で書かれなくなったことが、本来の意味を見失わせる一因になったのかもしれません。毎日新聞では最近まで「編集長のこだわり」というタイトルの小さな欄があったのですが、同業他社から「毎日さんまでが」と違和感を示されました。しかし、この用法の変化は数十年前から起こっていたことで、多くの人にとってもはや自然な使い方といえるのではないでしょうか。

ちなみにマッサンがウイスキー造りでこだわったのは「ピート」。訳語でいうと「泥炭」。これに執着したことで散々失敗と苦労を重ねるのですが、後の成功を生んだのです。一見つまらない「泥」に拘泥することがすばらしい結果を生む。これは「つまらないことにとらわれている」とみなされていた「こだわる」の意味が良い意味合いに昇格したのと相通ずる気がします。

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