漢字クイズ(テーマ・書体)結果

10月27~31日の回答割合は次の通り(★が正解)。
明朝体みょうちょうたい11%みんちょうたい★89%めいちょうたい1%
飛白体かすれたい15%ひはくたい★49%ひびゃくたい36%
大字の壱おおじのいち26%たいじのいち29%だいじのいち★45%
篆書体ごうしょたい4%ぞうしょたい9%てんしょたい★86%
籀文かんぶん8%ちゅうぶん★30%りゅうぶん62%

この週は「書体」。読書週間であることと、週の初めが「文字・活字文化の日」であることからこのテーマになりました。

最も正解率が低かったのは「籀文」。これはよほど漢字に詳しい人でないと知らない難問ではないでしょうか。

出題者がこの字を知ったのは1872年の「東京日日新聞」(毎日新聞の前身)第1号の題字からです。「日日」とはとても読めない「口の中に鳥」「口の中に正」の字(写真、右から)。諸橋大漢和辞典くらいにしか載っていない字です。毎日新聞社130年の社史「『毎日』の3世紀」によると《「京」と「日日」は画数の多い籀文(書体の一種)である》。


また、書家の南鶴渓さんの著書「文字に聞く」(毎日新聞社)にはこうあります。

《始皇帝の統一した文字は篆書と呼ばれ、現在私たちが書いている書体も、篆書から発展したのである。篆書には大篆と小篆がある。大篆は周の宣王のとき、史籀(しちゅう)が作ったとされ、籀書、籀文とも呼ばれる。これに対して始皇帝の宰相で、焚書坑儒(ふんしょこうじゅ)を実行した李斯(りし)の創始といわれるのが小篆であり、篆書といえば特に小篆を指すことが多い》《どんな文字か、今すぐ知りたいという方は、財布から一万円札を取り出していただきたい》

ここを読んですぐ財布からお札を出しました。《中央の透かし彫りの左下に朱の印がある。奇妙な文字と思われるだろうが、印の中に上下二文字二列に並んでいるのが篆書で、楷書に直せば「総裁之印」となる》

そして南さんは隷書の説明に移ります。《お札の左側に印刷してある「日本銀行券」「壱万円」「千円」の文字が隷書。私たちが現在使っている文字とほとんど変わらなくなっている》《篆書に隷属する臣下用の文字というわけだろう》

そういえば自宅の表札をつくるとき、いろいろな書体のサンプルを見せられましたが、その中に隷書がありました。しかし選んだのは明朝体。やはり現在の印刷の基本の文字が一番だと思ったのです。

その「明朝体」の正解率は今回最も高いのですが、もっと高い数字を予想していました。校閲、校正や編集の人には普段の仕事で使う語ですが、それ以外の一般読者は通常目にしない言葉かもしれません。

ちなみに毎日新聞で使う書体を手掛けた小塚昌彦さんは、退社後もデジタルフォントに携わり、その明朝体は「小塚明朝」として有名です。

なんだか今回手前みその話ばかりになりました。最後も宣伝です。このたび「毎日新聞用語集」を電子書籍として発売しました。実はこれまで市販されていた旧版は凸版印刷の活字を使っており、毎日新聞の文字ではありませんでした。このため、字の非常に細かい部分で毎日新聞との違いがありました。今回の電子書籍版は、全て毎日新聞のフォントです。そういう意味ではようやく真の「毎日新聞用字用語集」が出せたといえるでしょう。ご利用いただければ幸いです。

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