漢字クイズ(テーマ・集まる)結果

10月14~17日の回答割合は次の通り(★が正解)。
聚落しゃらく7%しゅうらく★41%しゅらく52%
編輯へんさん21%へんしゅう★52%へんそう27%
集くしげく13%すだく★35%ひしめく52%
円居つぶらい16%まどい★76%まどか8%

この週は「集まる」がテーマでした。当初は東京五輪50周年ということで、世界中から若者が集まったことを念頭に置いていたのですが、全く関係ない漢字ばかりになってしまいました。

全体的に正解率が低かったのですが、「円居」は、漢字はもちろん仮名の「まどい」もほとんど使われなくなっている割に高い数字です。希少な例外として、古井由吉さんの小説「男たちの円居」と、童謡「家路」の「いざや楽しまどいせん」を挙げることができます。この歌詞、記憶では「いざや楽しきまどいせん」で、他の人からも「楽しき」ではないかという問い合わせを受けました。講談社文庫の「日本の唱歌」で確認しましたが「楽しまどい」で間違いありません。

なお、誤りの選択肢「つぶらい」を選んだ人はきっと、東京五輪銅メダルの円谷幸吉か、ゴジラなどの特撮監督・円谷英二を思い浮かべたことでしょう。2人はともに福島県須賀川市の出身。あのへんに多い名前なのでしょうか。

最も難しかったのは「集く」。ほとんど仮名書きされるので無理もありません。この言葉を響きの美しい日本語として愛する人は少なくないと思うのですが、大方は「鳴く」意味として使っているのではないでしょうか。改めて漢字を調べれば元は「集まる」意だったとわかります。

「聚落」と「編輯」も、いま使うことはまずないので、低い数字になったのは予想通りといえます。ただ、ともにテーマにある「集」の字が重要なヒントになっていることに気づけば、知らなくても当てられたかもしれません。

ところで、先の朝ドラ「花子とアン」で、花子が勤めていた出版社に「編集部」とあったのが引っかかりました。この時代は「編輯」の字だったのでは? しかし、日本国語大辞典の用例では「編集」「編輯」ともに戦前の文に見えます。戦後の国語改革によって「編輯」から「編集」への変更が行われたとは限らず、混在していたのが「編集」に統一されたという経緯のようです。ドラマ編集上の判断かどうか分かりませんが、時代考証が足りないとはいえません。

NHKドラマつながりでいうと、先日「軍師官兵衛」を見ていたら豊臣秀吉の邸宅「聚楽第」のことを「じゅらくてい」と言っていたので「えっ」と思いました。「じゅらくだい」と覚えていたからです。辞書で調べると、両方の読みが載っていました。

また、「聚落」にしても「集落」にしてもどうして「落ちる」の字が使われているのか気になりました。円満字二郎さんの「漢字ときあかし辞典」(研究社)によると、落の字には落ちる意味とは別に「落ち着く」の例などがあり「下へ移動した結果、ある場所にとどまることから“安定した状態になる”ことも表す」「上を見ているばかりでは幸せは見つからないよ、とささやいているような漢字である」ということです。

そういえば「楽をあつめる」という漢字である豪勢な聚楽第を築いた秀吉の栄華は安定せず、豊臣家は没落しました。更けゆく秋の夜、人々が寄り添いともに虫のすだく声に耳をすませるような、素朴な集落の方が、落ち着いて幸せに暮らせるということかもしれません。

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