漢字クイズ(テーマ・学力)結果

9月1~5日の回答割合は次の通り(★が正解)。
勢いいきおい★96%いきよい2%すさまじい2%
倣ううしなう1%ならう★93%はらう6%
学びて思わざればすなわち「罔し」くらし★74%かるし19%わるし8%
習い性となるならいさがとなる26%ならいせいとなる★55%ならいたちとなる20%
碩学けんがく24%こうがく6%せきがく★70%

この週は「学力」。9月1日から多くの学校で2学期が始まることと、春に行われた全国学力テストの結果が8月末に発表されたことがきっかけです。

「勢い」は小学校5年生で習う漢字であり「100%かも」と思っていたのに96%にとどまりました。理由として考えられるのは①勢いあまってクリックし間違えた②「いきおい」だと簡単すぎるので特殊な読みではないかと思って「すさまじい」を選んだ③本当に「いきよい」と間違って覚えていた――くらいでしょうか。小学6年対象の学力テストでは、正答率は6年前の76.4%より若干減って74.5%に。「いきよい」を主な誤答例としているのですが、この読みが増えているのかなど、誤答の内訳は示されていません。

「倣う=ならう」は常用漢字音訓表にある読みですが、中学卒業までに習う読みには今のところなっていません。音読みは「模倣」などの熟語として覚えることになっているようです。実は常用漢字の音訓すべて中学校までに教わるわけではなく、習わなくていい読みがけっこうあることを、中学校の国語教科書を最近見て知りました。

「学びて思わざればすなわち罔し」の罔は普段見かけない字ですが、その割に正解率が高いのは、思いの外この格言を見聞きする人が多いということなのでしょうか。論語では後に「思うて学ばざればすなわち殆し」と続きます。何も考えず「まなぶ=まねる」のもいけないが、考えるだけで学ぶことをしないのも独善に陥り危ないという、学問の本質がずばり述べられています。

「碩学」はちょっと微妙な数字です。この字は固有名詞でよく用いられ、元トヨタ社長の奥田碩さんという有名人もいます。ところが「硯」と誤記する例が少なくありません。国立印刷局の「職員録」でも、ある小学校名で「碩」が「硯」に化けていました。「碩学」の「せき」だと分かっていれば入力ミスも減るはずですが、この熟語を知らない人が増えているのかもしれません。常用漢字ではないので学校で学ぶ機会もほぼないでしょうから。

「習い性となる」が今回最も低くなりました。このことわざは大辞泉(第2版)では「しょう」とは「読まない」、明鏡国語辞典(同)でも「『性』を『しょう』と読むのは誤り」としています。このクイズでも「しょう」の選択肢を当初誤りとして考えていたのですが、広辞苑(第4版~)、大辞林(第2版~)、日本国語大辞典(同)が「習い性」を「ならいしょう」として掲げていることが分かり、間違いの選択肢とはできなくなってしまいました。これらはともに「習い性となる」は「性(せい)」の読みとして別に立てています。つまり「習い性となる」という成句から「ならいしょう」という単独の名詞が派生したという判断になっているのです。まさか、「習慣はついには生まれつきの性質のようになる」という意味に倣って、「ならいしょう」と読む習慣が続くうちについに正しい読みのようになったと判断したわけではないでしょうが……。

これに詩人の入沢康夫さんはツイッター上で違和感を示されています。「多くの人が使っているからといって、辞書が『習い性』という名詞を認めて項目に立てるのは、意味の上からも(cf.「冷え性」)、かなり無理筋ではないかという気がしますね」「辞書の役割は、単に現行の語・言い方とその意味を記録するだけでなく、誤りあればそれを指摘し、正すことにもあると思いますが、最近の辞書は、後者の役割を徐々にないがしろにして来ていると感じられます」。皆さんはどう思われますか。

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