漢字クイズ(テーマ・治水)結果

7月14~18日の回答割合は次の通り(★が正解)。
大戸川おおこがわ 18%おおとがわ 56%だいどがわ ★26%
決河けっか ★46%けつが 34%けっこう 20%
決潰けっかい ★74%けっき 5%けっつい 22%
輪中わじゅう ★69%わなか 16%りんちゅう 15%
水嵩すいこう6%みずかさ★94%みずたけ0%

by BehBeh
この週は「治水」がテーマでした。

今回の「大戸川」は、2009年8月に出題した「大戸川ダム」の焼き直しです。実はこの時、正解率が0%という衝撃の結果でした。これは5年以上やっていた漢字クイズの最低記録です。しかし「だいどがわ」が相当難読なのは分かりますが、3択でゼロというのはちょっと考えにくい。原因は不明ですが何らかの設定ミスかシステムトラブルがあったのでしょう。そこで再出題の機会を狙っていました。

今月13日の滋賀県知事選がその機会だと思ったわけです。ですが大戸川ダムは少なくとも滋賀版以外の本紙で見る限り、原発とか集団的自衛権などに隠れ、大きな争点にはならなかったようです。そのせいか、今回もっとも低い正解率にとどまりました。しかし少なくともゼロではありませんでした。

「決河」というのは辞書をぱらぱらめくっていて偶然見つけた言葉です。このような知らない言葉との偶然の出合いは電子辞書ではなかなか体験できないでしょう。「決」の字は「漢字ときあかし辞典」(円満字二郎、研究社)によれば「本来は“堤防を切ってある方向に水を流す”という意味」「『堤防が決壊する』がその例で、『交渉が決裂する』のように“支えられなくなって切れる”ことを表すのも、そこから転じたもの。一気に水を流す“思い切りのよさ”とともに、“後戻りできない”という感覚をも伴う」とのこと。なんとなく「アリの一穴」ともいわれた集団的自衛権行使容認の閣議「決」定を思わずにいられません。この言葉は長くいえば「アリの穴から堤も崩れる」ですし。

「決潰」が4人に1人程度読めないというのはやや意外でした。「潰」は2010年に常用漢字になったのですが、「胃潰瘍」などは読めても「決潰」は見たことがない人が多いくらいに「決壊」の表記が定着したということなのでしょう。余談ですが、あるテレビ番組で医者の卵が「潰瘍」を「漬瘍」とボードに書いていました。編集段階で誰か気づいて直してあげられなかったのでしょうか……。

「輪中」は確か小学校で習うことだと思うのですが、それにしては低めです。しかし該当地区以外では日常会話やニュースに頻繁に出る用語でないので、忘れてしまうのも無理からぬことかもしれません。

「水嵩」が今回最も正解率が高くなりました。嵩は常用漢字ではないので新聞では「水かさ」としますが、語そのものはニュースに頻繁に出てきますので分かりやすかったのでしょう。出題時の解説に「水かさが高くなる」は「水かさが増す」の誤りと記しましたが、「水かさが上がる」も同様に不適切といえます。もっとも「かさ上げ」「かさ高」という言葉はありますが、これらは「かさ=体積・容積」の意味から離れた慣用表現と見なせるでしょう。

日本語はよく濁流のように制御しがたい動きを示し、時に誤用も氾濫しますが、校閲としてはしっかり「治水」をしたいと思います。

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