漢字クイズ(テーマ・蚕)結果

5月26~30日の回答割合は次の通り(★が正解)。
かいこ★38%さなぎ31%まゆだま31%
天蚕糸蚕あまごかいこ10%てぐすさん★28%てんさんしさん62%
給桑きゅうくわ1%きゅうし16%きゅうそう★83%
繭糸かんし10%けんし★47%さんし43%
繰糸場さいしじょう7%そうしじょう★80%ねんしじょう13%

by Colegota
この週は「蚕」がテーマでした。「富岡製糸場と絹産業遺産群」の世界遺産登録勧告が大きなきっかけであることはいうまでもありませんが、養蚕にとって重要な時期で、皇室でも「給桑」などの行事があることも意識しました。

その皇室の「御養蚕始の儀」の記事で蚕の数を「頭」で表記していました。チョウを「頭」で数えることもあるということは知っていましたが、蚕もそうだとは。「数え方の辞典」(飯田朝子、小学館)でも確かに「匹」とともに「頭」も挙げられています。注記として「人間にとって、貴重な昆虫として蚕を『頭』で数えることがあります」。ちなみに同書によれば、チョウは「頭」で数えることがあるのに、ガは「匹」でしか数えません。そのガの幼虫である蚕が「頭」というのも面白いですね。蚕は牛や馬並みに大事に飼育されていたという表れかもしれません。

その蚕の旧字体が「蠶」。共通部分が虫だけで似ても似つかぬ字ですよね。それもそのはず、本来は意味も読みも別の字だったのです。出題時にも記したように、蚕はもとミミズを表していたのですが、古くからカイコの略字として通用していましたから当用漢字に採用されました。同様に、もともと別字だったのに略字が本来の字と衝突したものに「藝」の略字「芸」があります。芸は本来ウンと読み、ある草の名を意味する字でした。

「天蚕糸蚕」は今回最も正解率が低くなりました。「てぐす」という言葉は知っていても「天蚕糸」という字と結びつかなかったのかもしれません。また「天蚕糸」だけでは「てんさんし」などとも読むため「天蚕糸蚕」としたことでなおさら難しくなったようです。ちなみにテグスと片仮名表記されることも多いため外来語のような印象がありますが、「唐音」からという語源説はあるものの少なくとも江戸時代からある日本語です。

「繭糸」の「繭」は「ケン」「まゆ」の音訓で常用漢字表に掲げられています。しかし「まゆ」はともかく一般的には音読みは常用されません。当用漢字時代はどうだったか知りませんが、訓読みだけにする選択肢もあったように思います。ちなみに富岡製糸場にある「東繭倉庫」「西繭倉庫」の繭は「まゆ」と訓で読みます。

しかし富岡製糸場の「繰糸場」は「くりいとば」とならず「そうしじょう」と音読み。この音が災いしたか、「操糸場」という誤植が大変目立ちます。全国には固有名詞として「操糸場」となっているところもあるかもしれませんが、そう記す資料も誤植の可能性があります。少なくとも富岡製糸場に関しては「繰糸場」が正しいことははっきりしています。まもなく正式に世界遺産登録が決まるでしょうが、その報道の際に間違いを繰り返さないよう気をつけたいものです。もちろん、富岡「製紙場」なんて単純な変換ミスも要注意。

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