漢字クイズ(テーマ・烏)結果

6月16~20日の回答割合は次の通り(★が正解)。
烏焉うえん★88%うしょう10%ちょうせい2%
烏有うゆう★84%からすあ8%ちょうゆう8%
烏帽子えびす4%えぼし★93%かぼす3%
烏兎うさぎ16%うと★76%からと8%
八咫烏やたがらす★92%やちがらす6%やまたがらす2%

この週のテーマは「烏」。サッカー日本代表のユニホームにある「八咫烏」から決まったテーマです。今回のワールドカップは事前に膨れ上がった期待が「烏有に帰す」結果となりましたが、「八咫烏」がブラジルまで道案内してくれただけでもよしとすべきなのかもしれません。

カラスは鳥の中で最も嫌われ者といえそうですが、人間の身近にいる鳥だけにさまざまな伝説や言葉、歌になっています。この漢字クイズでも、以前「烏鷺の争い」「反哺」「金烏」を出題しました。烏鷺は囲碁のこと。反哺は長く言えば「烏に反哺の孝あり」、親孝行のたとえです。そして「金烏」は太陽にすむという3本足のカラスのこと。この時は「きんちょう」「こんう」と割れ正解「きんう」は31%と低い数字でした。

それに比べ今回は最低でも「烏兎」76%と大変よく読めています。選択肢のせいかもしれませんが、クイズ参加者がそれだけ手ごわくなっていることも大きいでしょう。

「烏兎」の出題時に思い出したのですが、昨年末に月に降り立った中国の探査車の名前が、月にいるという中国伝説にちなみ「玉兎」でした。その後どうなったのでしょう。ネットニュースによると生きているらしいのですが、詳細は分かりません。

「烏焉」では「焉」より「鳥」の字の方が「烏」と似ていて間違えやすいと書きました。烏の字について「部首ときあかし辞典」(円満字二郎、研究社)は「『鳥』から派生した漢字。「鳥」の“目”にあたる部分を抜いて、全体が黒くてどこが目なのか見分けがつかない鳥を指す、というおもしろい説がある」と記されています。

しかし、なぜ「字形が似ていて間違えやすい」という意味の言葉が「烏鳥」でなく「烏焉」となったのでしょう。想像ですが、ともに「いずくんぞ」と読み下される字に使われる字なので「烏」「焉」が選ばれたのではないでしょうか。

ところで「暮らしのことば語源辞典」(講談社)によると、古代の日本人はカラスの鳴き声を「コロク」と聞いたようです。《万葉集に「烏とふ大軽率鳥(おほをそどり)の真実(まさで)にも来まさぬ君をころくとぞ鳴く」という歌があって、「ころく」に「子ろ来」という意味と鳴き声がかけてある》とあります。この「子」は恋人の意味らしいのですが、童謡では「カラスなぜなくの カラスは山にかわいい七つの子があるからよ」と歌われます。昔から「子」を連想させる鳥だったようです。

ちなみに今回の写真は出題者の子の誕生祝いにいただいた「からすのおかしやさん」(かこさとし、偕成社)から。個人的なもので恐縮ですが、リアルな写真よりはかわいいでしょう。

話はまったく違いますが、環境相の「最後は金目でしょ」発言を聞いて、「七つの子」のパロディーとしてかつてはやった「カラスの勝手でしょ」を連想しました。なにかこう、突き放した言い方が似ていると思ったのです。万葉集の歌の「大軽率鳥」ではありませんが、政治家の軽率な発言が目立っています。いや、本音でしょうか。

最近の「読めますか?」


校閲グループのお薦め本
「毎日ことば」のアカウント 
「毎日ことば」トップページへ
最近の記事
 
Top