漢字クイズ(テーマ・落語)結果

6月2~6日の回答割合は次の通り(★が正解)。
紫檀楼古木したんろうふるき★32%しだんろうこぼく64%むらさきだんろうふるぎ4%
平林たいらばやし25%ひらばやし★59%ひらりん16%
武助馬たけすけば12%むっつりすけべ20%ぶすけうま★68%
竈幽霊かまゆうれい22%すっぽんゆうれい13%へっついゆうれい★65%
粗忽長屋うかつながや4%そこつながや★85%そそうながや11%

今回、正解率が最も高かったのは、「粗忽長屋」でした。

実は6月1日の毎日新聞朝刊「ぶらっと落語歩き」(春風亭一之輔さんが古典落語の舞台を歩くという連載企画です)のテーマが「粗忽長屋」で、当然ながら紙面ではふりがなも付いていたのです。直前に載ったばかりというタイミングとなり、本紙の購読者の皆様にとっては造作もない問題だったでしょうが、おかげで紙面に出す問題をぎりぎりで差し替える羽目になりました。

次に正解率が高かったのは「武助馬」。回答するだけなら消去法で問題なかったはずですが、「武助」が登場人物の名前であることは、なかなか気づきにくいかもしれません。何といっても肝は「ヨッ、馬の脚! 後ろのほう! 武助馬、日本一!」という掛け声で、ばかばかしい半面、ほのぼのした話でもあります。

僅差で続いたのが「竈幽霊」です。もともと上方では「かまど幽霊」と呼ばれていたようですが、大正期に江戸落語に持ち込まれて以降、「へっつい幽霊」となっています。

「かまど」も「へっつい」もそれぞれ古い言葉ですが、例えば海外の文学作品の翻訳を読んでおりますと、「へっつい」はまずお目にかかりません。そうした言葉が、落語の中で特異点的に生き残っているというのは、なかなか興味深いものです。

意外に伸び悩んだのは「平林」でした。話の中で「タイラバヤシかヒラリンか」と歌い歩く場面が入りますので、確かに「ありそうな読み方」には違いないでしょう。ちなみに、元になったとされる「醒睡笑」ですと、「ヒョウリンかヘイリンか、タイラバヤシかヒラリンか……」などと続きます。

前座さんがかけることも多い話である半面、演ずるにはリズム感が不可欠なので、これを面白く聞かせる若手を見かけたら、名前を覚えておくと先の楽しみが増えるかもしれません。

さて、最も正解率が低かったのは「紫檀楼古木」でした。選択肢に「ふるき」と「こぼく」が並んでいれば、さすがに元から知っていないと厳しかったでしょうか。実在した人物が主人公となり、かつ演題にもなっている話は「西行」「中村仲蔵」など意外に多いですが、実力派がじっくり演ずる話が多い印象があります。話芸の奥深さに触れてみたい時など、いかがでしょうか。

以上、3年続けて「寄席の日」にちなんだ問題をお届けしました。元はといえば、3年前に「『読めますか?』の問題を何か考えてくれよ」と頼まれ、「そういえば6月の第1月曜日は『寄席の日』でしたね」とうっかり(?)応じてしまったところから始まったわけですが、よく続いたものです。漢字に興味のある方が落語に、そして落語がお好きな方が漢字に触れるきっかけになってくれていることを願いつつ、今回はこの辺で。

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