漢字クイズ(テーマ・母)結果

5月7~9日の回答割合は次の通り(★が正解)。
母恋駅ははこいえき39%ぼこいえき★26%ぼれんえき35%
焼け野の雉子やけののきぎす★44%やけののきじこ52%やけののきざし4%
麝香撫子しゃがなでしこ8%じゃこうなでしこ★87%ろっこうなでしこ5%

この週は11日の「母の日」にちなみました。

出題者が小学生のころ、母の日に「お母さんに赤いカーネーションを贈りましょう。 お母さんのいない子は白いカーネーションを」という呼びかけがあり、母のいない子供の心を傷つけるものだと当時、問題になった記憶があります。確かに学校で児童に赤白別のカーネーションを配ったりするのは無神経ですが、白いカーネーションには歴史的ないわれがあることは知りませんでした。今から100年余り前、米国人のアンナ・ジャービスが亡き母の追悼にと白いカーネーションを配ったことが始まりだそうです。

カーネーションはナデシコ科。だから別名が「麝香撫子」。「万葉時代の撫子、平安時代の石竹、そして現代のカーネーション……。私たちは、切れ込みが入った花びらを持つ撫子の仲間に、なぜか心惹かれるようですね」(山下景子「花の日本語」幻冬舎文庫)。ナデシコの語源は、なでいつくしむ子供のようにかわいい花からということ。全くの偶然ですが、そのように育てられた子供が母にナデシコ科のカーネーションを贈るという返礼も、こうしてみるとすてきな習慣です。

「焼け野の雉子」は「雉子」が古語であることはもちろん、このことわざが知られていないことが難しさになっています。キジは国鳥であるだけに、ことわざや慣用句にも多くなっていますが、「キジも鳴かずば撃たれまい」に比べてこのことわざはあまり使われなかったがゆえに、古語のまま残ったかもしれません。「きぎす」のキギは鳴き声から。また、キジは巣のある野原が火事のとき身の危険を顧みずひなを助けるというのは「実話がいくつも報告されてきたので、事実に基づく表現であったと言える」(時田昌瑞「岩波ことわざ辞典」)ということです。ちょっと信じがたかったので他の資料を探しましたが、少なくとも否定する文章は見いだせませんでした。

「母恋駅」は今回最も正解率が低くなりました。これは北海道に多いアイヌ語の音訳地名です。所沢秀樹「駅名の『謎』」(山海堂)によれば、「内地では村名や町名が先で、駅名はあとからそれに従うといった関係がほとんどだが、ここ北海道においては、駅名が先にあって、村・町名があとからそれに従ったという例を、いくつも見ることができる。これも、開拓地ならではのエピソードといえよう」。 母恋駅に関しては駅の開業より前にこの地名があったようですのでその例に当てはまりませんが、北海道における駅の重要さがうかがえます。

しかし北海道では、次々と鉄道が廃線になり、今月11日の運行をもって江差線木古内―江差間が廃線となってしまいました。ああ、あの時乗っておけばよかった思う機会が出題者にはあったのですが。そういえば「幸福駅」が有名な旧国鉄広尾線の廃線時にもそういう後悔があったっけ。江差線廃線が決まってから多くの鉄道ファンでにぎわったそうですが、本当の鉄道ファンなら廃線が決まる前にこそ何度も足を運ぶべきでしょう。母恋駅には今のところ廃止の情報はないと思いますが、ここも乗降客は往時に比べ相当減っているそうです。いつまでもあると思うな母恋駅。

最近の「読めますか?」


校閲グループのお薦め本
「毎日ことば」のアカウント 
「毎日ことば」トップページへ
最近の記事
 
Top