漢字クイズ(テーマ・子供)結果

4月28日~5月2日の回答割合は次の通り(★が正解)。
鼓草こそう7%つづみぐさ★63%つつみそう30%
御代の御宝ぎょだいのぎょほう3%ごよのおんたから★20%みだいのおたから77%
小人料金こじんりょうきん6%こびとりょうきん16%しょうにんりょうきん★78%
万緑の中や「吾子」の歯生え初むるあこ★83%ごこ1%わこ16%

この週は「子供」。このテーマは昨年の七五三シーズンでもやりましたが、今回はもちろん「こどもの日」にちなんだものです。

鼓草は以前にも出題した「蒲公英(たんぽぽ)」の別名。柳田国男「野草雑記」(岩波文庫)には「タンポポはもと鼓を意味する小児語であった。命名の動機はまさしくあの音の写生にあった」とあり、異説はあるもののタンポポの有力な語源説となっているようです。

なぜ鼓か。昔の子供には、「タンポポの茎を折って両方を少し割り、それを水の中に入れて、その外皮の円く反りかえるのを見ている遊び」があったそうで、その形が、鼓のようだったということです。「紙やセルロイドの色々の玩具で育てられた人は殆(ほとん)ど想像も出来ぬ話であるが、以前の子供は春の立ち帰るを待ち兼ねて、こうして銘々の遊戯材料を求めたのであった」。いまや紙やセルロイドのおもちゃもコンピューターゲームに取って代わり、タンポポの茎を加工する遊びなんてだれもやっていないでしょうから、実感に乏しいですね。しかし野原ではなく、人工的に造られた狭い公園にもタンポポは咲きます。それを喜ぶ子供の姿もきっと不変でしょう。

「御代の御宝」は難問でした。明治時代の1900年に書かれた泉鏡花の短編「湯女の魂」には出てきますが、それ以後の用例が見つかりませんので、もはや死語なのかもしれません。今「ちちんぷいぷい」に続けて子供をなだめる言葉といえば「痛いの痛いの飛んでいけー」ですよね。ちなみに大阪では「チンコノマジナイ、チンコノマジナイ」というところがある(あった?)そうです。大阪ことば学者の故・牧村史陽さんによると、家を新築して移転するとき、中国の神である鎮宅霊神から鎮宅霊符というまじない札を受けたのですが、その鎮宅がチンコとなり、お札を受ける代わりにその名をとなえるようになったということです(1991年毎日新聞大阪本社版「憂楽帳」より)。

「小人料金」は選択肢の設定に迷いました。「こどもりょうきん」「しょうじんりょうきん」とした方が正解率は下がったと思いますが、果たしてこれを間違いと言い切れるか自信が持てなかったのです。たしかに主な辞書には「しょうにん」となっていますが、元々これは「大人」と区別するためのものですから当て字として「こども」と読んでも問題はないのでは。「こども」なら漢字は「子供」だと言う向きがあるかもしれませんが、もともと「子供」だって当て字です。また「しょうじん」にも「子供」と同じ意味があるので、この読みも間違いとみなすのはためらわれます。そもそもなぜ「小人料金」という分かりにくい表記が普及したのかが分かりません。「子供料金」「こども料金」「小学生以下」などと書いた方がいいと思うのですが。

「万緑の中や吾子の歯生え初むる」の「吾子」も同様のジレンマがありました。「吾子」単独では「わがこ」とも「あご」とも「わこ」とも読めるからです。この場合は出題時、俳句をまるごと掲げ、あくまでもこの句における読みとしました。しかし小心の出題者はここでもまた不安になります。果たして中村草田男はこの字にルビを振っていたか。そうでないとすると、実は違う読みという可能性を排除できないではないか。結局、調べた範囲では「あこ」しか見つからなかったので「あこ」を正解としたのですが、万一「わこ」などの読みの資料がありましたらご教示くだされば幸いです。

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