漢字クイズ(テーマ・国宝)結果

4月7~11日の回答割合は次の通り(★が正解)。
東寺百合文書とうじひゃくあわせぶんしょ12%とうじひゃくごうもんじょ★63%とうじゆりもんじょ25%
誕生釈迦仏立像たんじょうしゃかぶつたつぞう1%たんじょうしゃかぶつりつぞう35%たんじょうしゃかぶつりゅうぞう★64%
鑁阿寺きょうあじ25%だんなじ23%ばんなじ★52%
茅野市かやし6%かやのし39%ちのし★55%
山家学生式さんかがくせいしき20%さんけがくせいしき13%さんげがくしょうしき★67%

by taketarou
この週は「国宝」。きっかけの一つは、読者からのはがきです。ある広報誌に出ていた「鑁阿寺」の読みが分からないので教えてほしいというご要望でした。この寺の本堂は昨年、国宝に指定されていたので、このテーマが決まりました。

しかし、その鑁阿寺が今回、最も低い正解率。国宝になってもあまり知られていないようです。なおこの寺の隣の足利学校は「日本最古の学校」とされ国指定史跡ですが、世界遺産登録を目指しています。

世界記憶遺産登録を目指しているのは「東寺百合文書」。「百合」は「ゆり」と読む人が多いに違いないと踏んでいましたが、それほどではありませんでした。ちなみに「世界記憶遺産」は「世界記録遺産」と間違えられることがあり要注意です。

「誕生釈迦仏立像」は「立像」だけなら「りつぞう」と読んでも間違いではない、というより辞書では「りゅうぞう」がカラ見出しとなって「りつぞう」へ誘導するものが多いのでそう読むべきものです。しかし出題時にも記したように仏像では「りゅうぞう」と読むことが当たり前のようになっています。お寺の「建立」も「りゅう」ですね。

「茅野市」は長野県の市で、3月にここから出土した土偶「仮面の女神」が国宝になるというニュースが流れたばかりですが、あまり知られていないのですね。「茅」を「ち」と読む例としては「茅の輪くぐり」があちこちにあります。

今回最も正解率が高かったのが「山家学生式」とは予想外でした。国宝そのものではなく、「人こそが国宝」と説く最澄の著述で、「一隅を照らす」という有名な言葉の出典でもあります。この「一隅を照らす」、意外なことに手近の国語辞典では見つかりません。もちろん「一隅」だけなら載っていますが、格言として出典とともに載せるものも、一隅の用例として載せるものも、調べた範囲では見いだせませんでした。ことわざ・慣用句の辞典には載せているものもあるのですが……。一隅だけあれば意味は分かるので採用が見送られているだけなのでしょうか。しかし単に隅っこを明るくするという物理的意味ではなく、それぞれがちょっとずつでも自分の役割を果たすという一種の理想社会をうかがわせる言葉で、座右の銘にされたり訓示や本のタイトルに使われたりと引く手あまたの言葉ですから、採録する国語辞典が見当たらないというのは不思議です。

今の国宝がもとは有名な寺や美術館ではなく市井に眠っていることがあるように、辞書に取り上げられない宝のような言葉がまだまだいくらでも発掘できるのかもしれませんね。

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