漢字クイズ(テーマ・戦国)結果

2月24~28日の回答割合は次の通り(★が正解)。
小田原評定おだはらひょうじょう8%おだわらひょうじょう★69%おだわらひょうてい23%
大返しおおがえし★61%だいがえし11%どんでんがえし28%
殿うえさま16%おやかた21%しんがり★64%
「洞が峠」を決め込むうろがとうげ17%どうがとうげ7%ほらがとうげ★76%
母里太兵衛ぼり・ふとべえ4%もり・たへえ★69%もりた・ひょうえ27%

この週はNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」にちなみ「戦国」がテーマでした。

「小田原評定」「洞が峠」は数字は悪くないのですが、ともに戦国時代由来の慣用句として有名だと思っていたのでもう少し高い正解率を予想していました。

黒田官兵衛の家臣「母里太兵衛」は実は「ぼり」説も有力で、福岡県直方市に「ぼりたへえくん」というキャラクターも生まれています。酒豪で「黒田節」のもとになったという逸話がありますが、大河ドラマでは速水もこみちさん演じる母里が早速いい飲みっぷりを発揮していました。

「殿」はそれらしい誤答を用意したつもりだったのでもっと低い数字を期待(?)していました。しんがりは敵の追撃を防ぐ重要な役どころ。この「追撃」がこの言葉本来の用法ですが、現在、逃げる敵を追い打ちするのではなく、「首位の巨人を追撃」のように勝っている相手に迫る意味で使うことが増えています。その意味を付記する辞書も現れ始めていますが、毎日新聞では「追い上げ」などに直すようにしています。

最も正解率の低かったのは「大返し」。こういう簡単すぎる漢字が実は往々にして読みにくい。ルビが振られることはあまりありませんので、「おお」か「だい」かはちょっと迷うことがあります。出題者もなんとなく「だいがえし」と読んでいました。昨年「倍返し」が流行語になった影響かもしれませんが。

「おお」か「だい」かでよく問題になるのは「大地震」の読みです。日本新聞協会の「新聞用語集」では「○オージシン ×ダイジシン」となっています(×は誤った読み方または誤りではないが放送では使わない読み方)。「日本国語大辞典」で「おおじしん」を引くと「古くから『おおじしん』『だいじしん』が併用されたか。NHKでは『大地震』を『おおじしん』と読んでいる」とあります。

確かにNHKのアナウンサーは多分全員「おおじしん」と読んでいるでしょう。NHK「ことばのハンドブック」第2版に当たると「だい」と「おお」の区別を説明する「コラム」がありました。

《原則として、「大」の後に「漢語」(音読みの語)がくると〔ダイ〕、「和語」(訓読みの語)がくると〔オー〕だとされている。「大地震」の場合は〔オージシン〕である》

ええーっ、「地震」は漢語じゃないの? 明らかに音読みなんですけど。

《「地震」ということばは、かつては「雷」「火事」と並ぶ日常的な“準”大和ことばだった。それが先祖返りして漢語的になってきたらしい》

ううむ、分かったような分からないような。要するに、揺れはあるけれどまあ地震の場合は《従来、慣用的に〔オー〕と読むことになっている》と決めましたということですね。

「大返し」は悩むことなく和語同士ということで「おおがえし」でオーケー。もっとも載せている辞書は「日本国語大辞典」しか見つかりませんでしたが。しかも意味が「退却する途中で全軍が引き返して敵軍に反撃すること」。あれれ? 「中国大返し」ってそんなことしてませんよね? 秀吉軍は猛スピードで中国地方から撤退したわけですから。待てよ、「敵」が中国の毛利ではなく畿内の明智光秀と考えれば矛盾しないのか。「敵は本能寺」というぐらいだから、敵がコロッと変わる解釈も許されるのかなあ……などと戦国のテーマらしく考えてみました。

最近の「読めますか?」


校閲グループのお薦め本
「毎日ことば」のアカウント 
「毎日ことば」トップページへ
最近の記事
 
Top