漢字クイズ(テーマ・早朝)結果

3月10~14日の回答割合は次の通り(★が正解)。
後朝の別れあとあさのわかれ12%きぬぎぬのわかれ★78%こんじょうのわかれ10%
閖上しずかみ19%せきじょう12%ゆりあげ★69%
暁方あかつきがた★39%あけぼの15%ぎょうほう46%
寝汚いいぎたない★78%いじきたない8%ねむたい14%
曙光あさぼらけ25%しょこう★50%しょっこう26%

この週は「早朝」。枕草子の冒頭「春はあけぼの」と寝台特急「あけぼの」廃止を結びつけようとして、このテーマになりました。

ところで「早朝」っていつごろのことをいうのでしょう。気象庁のホームページによると、「一般の人が活動を始める前。季節、地域にもよるが『夜明け』からおよそ1~2時間」とあります。では「夜明け」とは? 「日の出の前の空が薄明るくなる頃」。ちなみに「あけぼの」「暁」は気象用語にはないようです。

となると「あけぼの」と「暁」はどちらが早いか気になりませんか。出題者は何となく、「暁」の方が明るそうなイメージを抱いていたのですが、広辞苑の「あかつき」の①にはこうありました。「夜を三つに分けた第三番目。現在では、やや明るくなってからを指すが、古くは、暗いうち、夜が明けようとする時」。大辞林の「あけぼの」は「夜がほのぼのと明ける頃。夜空がほのかに明るんでくる頃。暁(あかつき)の終わり頃」。ということなので、「暁」の方が早いのですね。

今回最も正解率が低かったのは「暁方」ですが、これは一種の引っ掛け問題。知らない言葉なら「ぎょうほう」と答えるのはむしろ自然です。ちなみに「暁方ミセイ」という若手詩人は「あけがた」と読みます。

次に難しかったのは「曙光」。ちょうど50%という数字には「さもあらん」と思う気持ちと「あれ、もっと高いのでは」と思う気持ちが「ハーフハーフ」です。

たとえば「後朝の別れ」「寝汚い」がともに78%というのは、回答者の語彙(ごい)の豊富さを表すという気がするのです。しかも「曙光」は、たとえ「曙」の音読みが分からなかったとしても、つくりが「署」ですから「しょ」ではないかという推測が当たるはず。それでも半数が読めないのは、一つには「燭光(しょっこう)」という言葉との混同があるのかもしれません。

「閖上」のみ地名ですが、69%が読めたというのは、よかれあしかれ東日本大震災による大量の報道の結果でしょう。「閖」は和製漢字で、地名のみに使うと思いきや、ネットでは香川県の満濃池などの「閖(ゆる)抜き」という言葉で使われています。少数ですし、辞書でこの用字が見当たらないので、一般性がないことには変わりませんが。

「ゆりあげ」の地名の由来は、海岸に十一面観音像がゆりあげられたことだそうですが、閖の字の伝説は複数あるようです。いわく、伊達政宗が豊臣秀吉からもらった門を船で運び陸揚げしたところから。いわく、四代藩主伊達綱村が参詣した寺の門の内に水が見えたことから。いわく、水門(みなと)明神の神託を受け「水」と「門」を1字にした。

いずれにしても「水」が文字通り関わっていることには変わりません。しかし中が「木」の「閑」の字が似ているせいで、ネットでは「閑上」の間違いが少なからず見受けられます。でも由来を知ると間違えることはないでしょうね。

ところで、「揺り上げる」は辞書では「ゆすってあげる」こととあります。ゆりかごや母親に抱かれた感覚に連なるものがあるのかもしれません。これは全てを委ね寝台列車に揺られ眠ることと似た感覚なのではないかと思います。そして朝日を浴びて降り立つ時には、生まれ変わったようなすがすがしい気持ちになります。この根源的な感覚をもたらしてくれた寝台列車がなくなるというのは、経営の問題以前の喪失ではないでしょうか。

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