漢字クイズ(テーマ・工芸)結果

1月27~31日の回答割合は次の通り(★が正解)。
堆朱すいしゅ21%たいしゅ44%ついしゅ★35%
截金きりかね★39%せっきん16%たいきん45%
七宝焼しちほうやき4%しっぽうやき★96%しっぽやき0%
螺鈿らさい6%らせん12%らでん★82%
窯変かまがえ20%かまへん6%ようへん★73%

この週のテーマは「工芸」でした。

このジャンルは難しい漢字が多いのでいつでも出題できます。「堆朱」「截金」などは、陶芸展や人間国宝などのかつての記事から拾ったものです。でも毎日出すクイズですから、出題のタイミングとしてはなるべく「旬」の漢字を多くしたい。そう思って出題しかねているうちに、フジテレビで「チームバチスタ4 螺鈿迷宮」が始まったので「今でしょ」と思った次第です。ドラマ効果かどうか不明ですが、正解率は高くなりました。

個人的な思い出で恐縮ですが、螺鈿という字と初めて出合ったのは高校2年の修学旅行の時でした。奈良でのグループ行動中、ちょっと時間があいたので入った市美術館で螺鈿の展覧会をやっていたのです。何と読むか分からず友達は「『らさい』じゃない?」と言っていたのですが、結局美術館の人に聞きました。

もう一つ、工芸関係で時事にからむ言葉はないだろうかと思っていろいろ探しているうちに見つけたのが「窯変」です。出て間もない三省堂国語辞典第7版に次の語釈を発見し、「いいね」と思いました。

《②人やものが思わぬ変化を見せること。「俳句が―する」》

元首相の陶芸家が突然都知事選に立候補したことにぴたり結びつくではありませんか。

しかし「窯変=ものの思わぬ変化」は比喩としてわかりますが、「人」について使う例が辞書に載るほどあったのでしょうか。三省堂国語辞典の担当者、奥川健太郎さんに聞いてみました。以下の例などがあるそうです。

《そんな環境の〔=性から隔てられた大正中期の〕少女が文学的には早熟で、 恋愛や情事を早くから読み習ったのだから、身心に奇妙な窯変の起ったことは事実である》(円地文子「彩霧」=1976年)

《斎院が川原悠紀子を通して自分に憑(つ)いたのか、それとも老境に入った女の性が他眼(はため)には分らぬ窯変を起して、自分を別の女にしているのか》(同)

 けっこう古くから使われていたのですね。出題者としては橋本治さんの「窯変源氏物語」(1991年)あたりから陶芸以外でも使われるようになったのかなと思っていたのですが。奥川さんによると「陶磁器の例に比較すると例が少ないことは否めません。しかし、日本語として不自然でないところから、普通の文章で使うことのできる用法と判断しました」ということです。

なお、調べた限りではこの用法を載せているのは三省堂国語辞典第7版しかありませんでした。さすがに新語や意味の変化に敏感な「三国」というところでしょう。次週の「読めますか?」でもこの辞書などから取材し、言葉の用法の変化に注目した出題を予定しています。よろしくお願いします。

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