漢字クイズ(テーマ・厳寒)結果

1月20~24日の回答割合は次の通り(★が正解)。
大寒おおかん0%たいかん38%だいかん★62%
粥施行かゆしこう21%かゆせぎょう★64%かんせこう15%
虎落笛こがらし18%こまぶえ23%もがりぶえ★59%
霜夜しもや32%しもよ★63%しもよる5%
日脚伸ぶにっきゃくのぶ3%ひあしのぶ★83%ひきゃくのぶ14%

この週は1月20日の大寒にちなみ「厳寒」がテーマでした。

「大寒」は、出題後「たいかん」「だいかん」を併記する辞書が見つかり、頭を抱えました。国語辞典で「たいかん」を認めているものは見いだせませんでしたが、調べた範囲では漢和辞典5種で「たいかん」を発見。そのうちの一つ、「大字典」(1917=大正6=年初版)は併記ではなく「たいかん」のみを掲げていました。逆に「だいかん」のみとする漢和辞典も多いのですが、もしこれが入試問題なら、不適切として全員正解とされるでしょう。

もっとも、国立天文台のホームページなどで「だいかん」の読みが示され、国語辞典では「たいかん」の読みが見当たらないことを重視すれば、漢文の読み下しならぬ現代日本語の読みとしては「だいかん」が標準ということは否定できないのではないでしょうか。新聞用語懇談会編「新聞用語集」(2007年版)、NHK「ことばのハンドブック第2版」でも「○ダイカン ×タイカン」となっています(ただしこの×は「間違い」とは限らず、放送で原則として使わないということを示しています)。というわけで、あくまでもどちらがより標準的か、という観点ではやはり「だいかん」に軍配を上げたいと思います。漢和辞典の調査が不十分だったことはおわびいたします。

「粥施行」は「角川俳句大歳時記」で見つけた語です。「冬になると貧しい者には富者が熱い粥をふるまう風習が各地に見られた。今日でも地球上のあちこちに飢餓や紛争によって流れ出る難民の悲惨な姿が絶えないが、わが国における飢餓の歴史と粥施行の精神が、今もう一度思い起こされてもよいであろう」と山下知津子さんの解説があり、「ボランティア朝まだきより粥施行」という竹内柳影さんの句が載っています。

「虎落笛」も冬の季語。今回最も正解率が低くなりました。「もがり」といえば映画「殯(もがり)の森」で知られる、貴人の遺体の安置(所)を表す古語と同音で、ある歳時記は語源的に関連づけていますが、どうなんでしょう。資料によっては他にもさまざまな語源説が挙げられ、どうも定説がないようです。ただ「虎」という当て字が不安をかき立てる風の音にマッチしたということはいえるでしょう。

「霜夜」は検索していて偶然、青空文庫の芥川龍之介作品にぶつかりました。小品ですが俳諧的風味のあふれた練達の文章。こういう作品がネットで読めるのはありがたいのですが、活字でも味わいたいと思います。

「日脚伸ぶ」は今回最も正解率が高かったのですが、よく使われる季語ですのでもう少しいくかなと思っていました。

最近東京では比較的暖かい日が続いていますが、まだ寒中。もうすぐ立春とはいえ、必ず寒さはぶり返すでしょう。どうぞ体調管理にお気を付けください。

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