漢字クイズ(テーマ・鬼)結果

2月3~7日の回答割合は次の通り(★が正解)。
ひいらぎ★100%からたち0%ほお0%
疫鬼えきき★29%やくおに18%やっき53%
隠形鬼いんけいき2%おんぎょうき★77%なばりおに21%
怪力乱神かいりきらんじん41%かいりょくらんしん★35%けりきらんしん24%
外面如菩薩内心如夜叉がいめんじょぼさつないしんじょやしゃ32%げめんにょぼさつないしんにょやしゃ★58%そとづらにょぼさつないしんにょやしゃ11%

この週は節分にちなみ「鬼」がテーマでした。

「柊」では久しぶりに正解率100%が出ました。この「読めますか?」では「稽古」以来です。常用漢字ではありませんが、常用漢字並みに知られていることがうかがえます。

最も正解率が低かったのは「疫鬼」。疫の字はエキとヤクの読みがあるので迷いがあったのでしょう。疫は「疫病」「免疫」「口蹄疫」などよく使われますが、ヤクは主に「疫病神」くらいしか用いられないようです。

「隠形鬼」は馬場あき子「鬼の研究」(ちくま文庫)で知りました。中央政権に反旗を翻す、まつろわぬ人々が「鬼」として伝承されるというのはよく知られていますが、この「隠形鬼」など超能力を持った四鬼を使役した藤原千方のことは知りませんでした。しかし「天智天皇の時代」と「平安時代」とする矛盾する資料があるようで、実在したことが疑われています。また、四鬼にあっさり見捨てられてしまうことが大衆人気を得なかった一因かもしれません。

「怪力乱神」は「怪力」単独では「かいりき」であるだけに格好の引っかけ問題と思いました。しかし「かいりきらんしん」とする漢和辞典も見つかりましたので「らんじん」を誤りの選択肢としました。「かい・りょく・らん・しん」はすべて漢音、つまり平安時代に正式な音とされた読みです。

「外面如菩薩内心如夜叉」はいかにも中国の漢文にありそうですが、日本で平安時代に作られた慣用句だそうです。女の人が修行の邪魔になるという、男性社会から生まれたことを露骨に示す言葉です。この語はともかく、辞書は男性の視点からの用例が多いということで、最近出た「三省堂国語辞典」第7版では「美女」の用例を削除するなどの見直しを行ったと毎日新聞は伝えています。

最後に脱線するのをお許しください。出題はしませんでしたが「鬼」を使うことわざに「鬼神に横道(おうどう)なし」という言葉があります。「鬼神は道に外れたことをしない」という意味。これで思い出したのが「巨人の星」でした。

星飛雄馬が魔球「大リーグボール2号」を編み出す途中で思い出した小学5年生の2月の頃のエピソードです。日課のランニングで、決められた道が工事で通行止め。その他の道には近道と回り道があり、飛雄馬は近道を選んだのですが、その終点に父一徹が待ち構えていて「ものもいわずに殴り飛ばされた! 鼻血に染まりぶっ倒れてもなお蹴りまくられた!」。ひどい父親だ。「鬼に見えた… その時鬼は叫んだっ 『飛雄馬よ!! なぜ遠回りを選ばん!? つらい苦しい遠回りを選んでこそおのずと成長がある! 二度と近道をえらんでみいーっ その時かぎりこの星一徹の子ではないと思えっ』」。いやはや、たかが近道しただけでなんでボコボコにされなければならないんだ、と反発するどころか、飛雄馬は「あの朝の日の出の美しさも忘れられん」と素直に感動して、その後の人生の戒めにもなるのです。

「鬼神に横道なし」の意味とはずれますが、連想はさせます。なおアニメ「巨人の星」で星一徹の声を演じた加藤精三さんは先月亡くなりました。アニメ声優の訃報としては「サザエさん」の父親・波平をずっと演じてきた永井一郎さんが大きく取り上げられ、それは当然だと思いますが、残念なのは加藤精三さんの扱いの小ささでした。出題者(50歳)はアニメ「巨人の星」の再放送を何度も見てきて、年を重ねるごとに涙を多く流してきました。この文章の後半は自分なりの加藤さんへの追悼のつもりです。

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