漢字クイズ(テーマ・喪)結果

11月25~29日の回答割合は次の通り(★が正解)。
喪家の狗そうかのいぬ★37%そうけのいぬ52%もかのいぬ11%
荼毘さび5%だび★95%ちゃせん0%
殯宮祗候ひんきゅうぎこう38%ひんきゅうしこう★42%ひんぐうきこう20%
大姉おおねえ4%あによめ10%だいし★87%
香奠こうじき7%こうしゅう11%こうでん★82%

この週は「喪」がテーマでした。「喪中欠礼」のはがきが届く時期に合わせたものです。

「喪」は音読みが「そう」、訓が「も」というのは大概の人がご存じだと思います。しかし「喪中」「喪失」あたりの読みはわかるとしても、天皇の「大喪(たいそう)」「ご喪儀(そうぎ)」などは個別に覚えるしかありません。

「喪家の狗」は喪に加え「家」が「か」か「け」か分かりにくいという難読語です。はたして今回最も正解率が低くなりました。「漢字ときあかし辞典」(円満字二郎、研究社)によると、「ケは奈良時代以前からある古い読み方で、『平家』『犬神家』のように姓に付けたり、『王家』『将軍家』のように高貴な役職名に付けたりして、その“一族”を表す場合に用いるのが主な用途。『家来』も、本来は“ある一族に仕える者”をいう」とあります。なるほど、喪家は単に喪中の家という意味で、一族ということではないですね。

次に難しかったのは「殯宮祗候」。「祗」は「祇園」の「祇」と似て非なる字で、一般的には読みも違います。しかしやはり「ぎ」という誤読が少なくありませんでした。ある辞書の見出しでも【祇候】と誤字が入っていたことがある(現在出ている版では修正)くらいですから、間違いの定番といえましょう。

次に「大姉」。毎日新聞の「週刊漢字」で取り上げたところ「たいし」が正しいという「僧侶」の方のご指摘をいただきました。「『だいし』は弘法大師等の読み方で、一般の戒名では『たいし』と濁らないよう仏教の本にも書かれている」とのこと。しかし、会社にある国語辞典、仏教語事典の類いで「たいし」と書かれたものは見つかりませんでした。自宅にある雑誌「大宝輪」でも「だいし」。漢和辞典で「大姉」を引くと「たいし」も見つかりますが、「一番年長の姉」「姉の尊称」「天女」との意味であり、仏教語としては「だいし」と分けられています。したがって「訂正」はしませんでしたが、ネットでも「たいし」という言い方もあるという書き込みがあります。あらためて宗教関係は難しいと感じました。

「香奠」は奠の字が常用漢字でないため「香典」に書き換えるとされ、事実、1956年の国語審議会報告「同音の漢字による書きかえ」に「香奠→香典」という例がありますが、「香典」の表記はそれ以前から使われていたようです。「日本国語大辞典」(小学館)によると既に16世紀の文献に見られ、島崎藤村の「家」にも出てきます。

「荼毘」の荼の字は「茶」とよく似ているので「さ」「ちゃ」を誤りの選択肢としましたが、引っかかる人はほとんどいませんでした。「荼」は漢和辞典によると「茶」の意味があるそうなので、別字とされるものの全く関係ない字でもないようです。もっとも「荼毘」の場合はお茶の意味はなく、単なる当て字。「外国生まれのスタイルで、いわば新参者であった火葬は、それにふさわしい日本語がなく、また、死に関する事柄は一種のタブーであり、忌み言葉ですから、ジャーペーティの音を漢字に置き換えた『荼毘』が、そのまま日本語として定着したのだと思われます」と「大宝輪」の特集「暮らしの中の仏教語」(2009年10月号)にありました。宗教関係者でなくてもこういう雑誌を時々のぞくのも面白いと思います。


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