漢字クイズ(テーマ・謝罪)結果

10月21~25日の回答割合は次の通り(★が正解)。
等閑おざなり31%ないがしろ18%なおざり★51%
憾みいたみ52%うらみ★24%つらみ24%
詫び入るまろびいる6%わびいる★93%わびはいる1%
忸怩こうでい9%じくじ★87%じっこん4%
慙愧に堪えないかいこんにたえない3%きんかいにたえない4%ざんきにたえない★94%

この週は「謝罪」。最近も次々と不祥事が明るみに出て謝罪会見が行われています。人ごとではなく、毎日新聞でも「おわび」記事がしばしば掲載されます。自戒も含めて、このテーマにしました。

正解率は「慙愧に堪えない」が最も高くなりました。「忸怩」も難しいと思いきや、びっくりするほどの高率です。それだけ謝罪の言葉が世にあふれているということでしょう。

「忸怩」といえば、2000年毎日新聞掲載の校閲コラムで、本来の言葉や使い方から懸け離れた言葉が新聞に載ることに「忸怩たる思いで黙っていると」と記したのですが、読者から「残念だ・腹立たしい・くやしい、という意味で使ったようだが、本来は、心の中で恥ずかしく思う、という意味なのでは?」というご指摘がありました。これに対し筆者は「私は本来の意味で使ったつもりです。自分が声を上げなかったために間違った言葉が紙面に載ってしまえば、それは校閲記者にとっては恥ずかしいこと」と釈明しました。ことほどさように「忸怩」というのは使う側と受け取る側の認識がずれることがあります。できるだけ「恥ずかしい」という本来の意味が生きる場面で用いた方がよいと思います。

「詫び入る」。以前チェックした原稿で、ある文芸誌が「お侘び」を出したという記述がありました。「お詫び」の間違いでしょうと思いつつ辞書をみると、「詫びる」は「侘びる」と同源となっています。ということは「お侘び」もありなのか? 当の文芸誌に当たると「お詫び」となっていましたので単なる間違いでした。また、出題時にも書きましたが、「詫」をおわびの意味で用いるのは日本的用法で、元は「だます」などの意味もあったとのこと。ということは、中国人にはこの字はおわびのしるしとして受け取ってもらえないということなのでしょうか。いずれにせよ、毎日新聞では「おわび」と平仮名にしています。

「憾み」が今回最も低い正解率でした。ところで「遺憾」という言葉は幹部の言葉でよく使われますが、これもどういう意味なのかという疑問の声は多いようです。「うらみをのこすこと」と読み下すと相当印象が変わりますね。それにしてもよく分かりませんが。

北原保雄編著「問題な日本語その4」(大修館書店)には「遺憾」は謝罪の言葉なのかという質問に答える項があります。《こうした言い方が、なぜ何か問題を起こしたときの関係者の謝罪会見などでよく使われるのでしょうか》《当事者の立場にあったとしても、直接「申し訳ございません」「心からおわび申し上げます」といった謝罪のことばを使わずに、第三者的に責任逃れの立場を通せるからではないでしょうか》《「遺憾」「慙愧」といった難しい漢語を用いると、物事に関していかにも真摯(しんし)に対応しているように見せかける効果はあるものの、自分側の責任を明確にして心から謝罪すべき場面では、受け手側ははぐらかされた気持ちになってしまいます》

誠にその通りなのですが、では殊更に難しい漢語を使わずにおわびすればそれでいいのか。そういうものでもないでしょう。再発を防ぐためにどうすれないいのかということこそ真剣に問われねばならないし、不祥事を起こした側は、いますぐ必ず実行する再発防止策として、答えなければならないはずです。その姿勢がないと、なおざりな謝罪、いや、おざなりな謝罪とみなさざるを得ません。

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