漢字クイズ(テーマ・和食)結果

10月28日~11月1日の回答割合は次の通り(★が正解)。
雲子うんじ32%くもじ25%くもこ★43%
衣被きぬがさ22%きぬかつぎ★63%てんぷら15%
香の物かのもの5%きょうのもの2%こうのもの★93%
信太巻きしのだまき★83%しんたまき10%のぶたまき7%
能平汁のっぺいじる★95%まめぶじる4%よしべいじる2%

この週はユネスコ無形文化遺産登録が確実になったとのニュースを受け「和食」がテーマでした。しかし、その後相次いでいる食材偽装問題のために「登録は大丈夫か?」と気をもんでいる方もいるのでは? まあミシュランじゃあるまいし、一流ホテルやデパートに入っているレストランの高級和食(?)が認められて登録される方向になったわけではないでしょうが。

今回最も高い正解率は「能平汁」。出題時の解説で「日本各地に郷土料理として伝わる」と記したところ、「のっぺい汁って新潟だけかと思っていました」というツイートをいただきました。確かに、農水省の「農山漁村の郷土料理百選」に新潟県から「のっぺい汁」が選ばれているように、新潟県が代表的とはいえるでしょう。しかし「世界の食 語源×由来小事典」(ジャパンアート社)によると、《全国各地に郷土料理として残って》いるそうです。《16世紀の茶道書「南方録」にもその名が見られる。汁がぬらっとして餅のように粘っているので「濃餅」と書き、「能平」のあて字をしている。また、「ぬっぺい」の呼称がなまって「のっぺい」になったとの説もある》《島根では正月の行事料理、広島では農村の秋祭り料理などで伝承されている》

「香の物」でもツイートをいただきました。《昭和三十年代の札幌、我が家では「お漬物」ではなく、母が「おこうこ」と言っていました》。「おこうこ」というのは「香々(こうこう)」の変化ですね。「くらしのことば 語源辞典」(山口佳紀編、講談社)では「香香」の一項目を立てています。《「香の物」の、語頭のコウを重ねた女房詞(ことば)から出た語。コウコ・オコウコという方が一般的》《古くはとくに味噌(みそ)漬けを意味した。それは、「香」が女房詞で味噌を意味したから》

「信太巻き」の名称は料理名と日本古来の芸術、そして歴史・伝説が結びついた、和食の重層的な魅力を示す一例だと思います。もちろん味も、油揚げにたっぷり含まれただしがじゅわっと口に広がる瞬間の幸福感は、たまりません。

「衣被」はあまり知られていないのでしょうか。出題者も季語としては知っていても、実際に食べたのは確か最近です。サトイモをゆでるだけで単純すぎる料理であるせいか、行った店のメニューとしても見た記憶がありません。しかし、シンプルで、手を加えないからこそ、素材のおいしさが最大限生きるのです。それは和食の美点の一つでもあるに違いありません。そして名称は、《キヌカツギは、中古・中世ごろの高貴な女性が外出するとき、顔を見せないように単衣(ひとえ)の着物を頭から被(かぶ)ったことを意味する。本来皮をむいた形で出てくるはずの里芋が、皮つきであることをキヌカツギになぞらえた女房詞》(くらしのことば 語源辞典)と、やはり歴史を感じさせるネーミングです。

最も難しかった「雲子」は数年前の職場の忘年会で出た料理の一つでした。幹事の趣味でわざわざこの料理があるところを選んだと思われます。しかし、これをどう読むのかと気になって気になって、しかし聞くのは恥ずかしくて、後でこっそり辞書で調べようとしても、載っている辞書は見当たりません。調理用語事典でようやく見つかったのですが、名前の由来や、いつどのあたりで言われるようになったかは書いてありません。だれかご存じの方いらっしゃいませんか?

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