漢字クイズ(テーマ・九)結果

9月9~13日の回答割合は次の通り(★が正解)。
重陽の節会えようのせつえ4%じゅうようのせつえ9%ちょうようのせちえ★87%
百骸九竅ひゃくがいきゅうきゅう27%ひゃくがいきゅうきょう★36%ひゃくがいくけつ37%
九字を切るきゅうじをきる28%くじをきる★54%ここのじをきる18%
九十九髪くじゅうくがみ1%つくもがみ★69%つづらがみ30%
九十路きゅうじゅうろ6%くそじ37%ここのそじ★58%

この週は「九」がテーマ。9月9日の重陽と、後の二つは敬老の日に近いことを意識しました。

重陽は五節句のうちでもマイナーなものの一つでしょうが、正解率はこの週で最も高くなりました。ちなみに他の節句とは1月7日の人日、3月3日の上巳、5月5日の端午、7月7日の七夕です。重陽は江戸時代までは休日とされて祝われていたそうですが、今はほとんど見かけません。今年の9月10日付毎日新聞では、わずかに岐阜版で触れられたのみ。JR中津川駅前の「栗(くり)きんとん発祥の地」の碑の前で神事と栗きんとんの無料配布が行われたという記事です。なぜ栗かといえば、重陽は栗節句ともいわれるから。なるほど、新暦の9月9日は重陽に欠かせない菊の花の盛りには早いのですが、栗なら合いますね。出題者も岐阜から取り寄せた恵那栗の栗きんとんをいただきました。

「百骸九竅」は最も低い数字となりました。また個人的な話で恐縮ですが、出題者は「きゅうきゅう」という読みが頭にこびりついていました。高校時代「笈の小文」の序文を暗記していたのですが、「窮地」の窮と見誤ったと思われます。そこで間違いの選択肢に挙げました。なお、笈の小文の序文「百骸九竅の中に物有り。かりに名付けて風羅坊といふ」の「風羅坊」は松尾芭蕉の別号。この風羅坊という言葉は、以前出題した落語「金明竹」に出てきます。「古池や蛙飛び込む水の音と申します、あれは、風羅坊正筆の掛け物で」。芭蕉と言わないところにあの口上の訳の分からなさが表れていますが、知識があればぴいんとくるのでしょう。

「九字を切る」は伝奇小説やアニメなどによく出てきそうですが、出題者が確認できたのは岡野玲子の漫画「陰陽師」第2巻(原作は夢枕獏ですが未確認)。天台密教では「臨、兵、闘、者、皆、陣、列、前、行」が九字の呪文で、真言密教では「臨、兵、闘、者、皆、陣、烈、在、前」と最後の方に違いがあるということです。

「九十九髪」の間違いの選択肢「つづらがみ」は「九十九折り」が「つづら折り」と読むことを踏まえてのものです。同音異義語で連想されるのは「付喪神」。100年たった道具に霊魂が宿るという話はよく聞き、「つくもがみ貸します」という小説のシリーズもあります(畠中恵、角川文庫)が、載せる国語辞典は意外に少ないようです。

「九十路」は「みそじ」「よそじ」「いそじ」……と和語で数えると「ここのそじ」となるのが道理です。間違っても90歳のお年寄りに「くそじ」なんて言ってはいけません。ところで「九十路」はほとんどの辞書で90歳の意味となっていますが「三省堂国語辞典」は「九十代」の意を付記しています。このへんについては以前ブログ「『三十路』は30歳『代』?」で取り上げましたのでご覧くだされば幸いです。

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