漢字クイズ(テーマ・百・千・万)結果

7月8~12日の回答割合は次の通り(★が正解)。

百尺竿頭ひゃくしゃくかんとう★84%ひゃくしゃくさおがしら5%ひゃくしゃくせんとう11%
万機ばんき★85%まんき3%よろずばた11%
四万六千日しまんろくせんにち★54%しまろくせんじつ30%よんまんろくせんび16%
百万言ひゃくまんげん★74%ひゃくまんごん21%ひゃくまんごと5%
千秋万歳せんしゅうまんさい50%せんしゅうばんぜい★49%ちあきばんざい1%

この週のテーマは「百・千・万」。数字というより、量の多さやスケールの大きさの表現です。

「百尺竿頭」は、掲載日の7月8日に毎日新聞の「週刊漢字・読めますか?」が200回に達したことにちなみ、まだまだ一歩一歩続けるという決意をこめたものです。その日、通常の社会面の連載に加え、200回記念の特集をつくったのですが、その後、放送評論家の松尾羊一さんが本紙夕刊のコラム「長屋のご隠居 てれび指南帳」で「月曜日の朝刊を楽しみにしてる。4コマ漫画や新聞小説より今はこの欄が楽しみだ」と過分なお言葉を寄せてくださり、担当としては勇気百倍です。

「万機」は「五箇条の御誓文」の「万機公論に決すべし」を学校で習うためかどうか分かりませんが、今回最も正解率が高くなりました。なお、前記の特集でも引用した「漢字ときあかし辞典」(円満字二郎著、研究社)によると、「数そのものを指す場合は必ずマンと読まれるが、“多い”“すべての”を意味する場合には、バンが用いられることが多い」そうです。

というわけで「四万六千日」の「万」は数そのものだから「まん」。ただし、この語の読みにくさは「万」ではなく「四」にあります。「4万6000」はどうしたって「よんまんろくせん」と読んでしまいますよねえ。でも「二十四の瞳」「二十四節気」の四は「し」と読むように、伝統的には「し」と読むものが少なくありません。四を「よん」と読むのは訓読みで、「よつ」が変化したものだそうです。

「百万言」は「げん」か「ごん」かがポイント。「漢字ときあかし辞典」によれば「音読みはゲンを使う方がやや一般的。特に熟語の最初に置かれた場合には、『言語道断』を除けば、日常的にはゴンと読むことはない」。なるほど、言下、言外、言質、言動などすべて「げん」ですね。あ、「言上」は「ごんじょう」か。でも日常語ではありませんね。

今回最も正解率が低かったのは「千秋万歳」。この言葉にはいろんな読みがあり、正解の「せんしゅうばんぜい」の他にも「せんしゅうばんざい」「せんしゅうまんざい」「せんしゅうはんぜい」「せんしゅうはんせい」が日本国語大辞典(日国、小学館)の用例などにみえます。ただ「せんしゅうまんさい」は見つからなかったので誤りの選択肢としました。

なお、石井研堂「明治事物起原」(ちくま学芸文庫)によると「近年万歳を高唱することは、明治二十二年二月十一日に始まる。この日帝国憲法発布の盛典あり(中略)時に大学生(中略)『万歳』を歓呼せしに始まる」となっています。しかし「日国」の「ばんぜい【万歳】」の項には「曽我物語」(南北朝ごろ)の例として「呉のつは者三十万騎、かち時をつくりて、ばんぜいのよろこびをぞとなへける」という文が挙げられています。つまり、昔は「ばんぜい」だったのが旧憲法発布を機に「ばんざい」に変わったということでしょうか。

ともあれ、きょうの参院選開票報道では当選者陣営の万歳風景が繰り返されることでしょう。ただ、万歳という行為が旧憲法や天皇と切っても切れぬ関係にあったということは、いずれ改憲論議に加わるかもしれない新議員の皆さんも頭の隅においてほしいと思います。

最近の「読めますか?」


校閲グループのお薦め本
「毎日ことば」のアカウント 
「毎日ことば」トップページへ
最近の記事
 
Top