漢字クイズ(テーマ・だまされる)結果

5月27~31日の回答割合は次の通り(★が正解)。
「睫」を読まれるまつげ★53%まなじり40%まゆげ8%
唆されるさとされる15%さらされる5%そそのかされる★80%
子故の闇ここのやみ12%こゆえのやみ★27%しこのやみ61%
騙るあおる16%かたる★67%たばかる17%
誰何すいか★56%たぞ22%だれか22%

この週のテーマは「だまされる」。振り込め詐欺の新名称を警視庁が決めたというニュースがきっかけです。

しかし「振り込め詐欺」は定着しましたが、「母さん助けて詐欺」はどうでしょう。警視庁は東京都が管轄ですから、他県に使用を命じることはできません。東京都の事件でも、マスコミが使うケースはまだほとんどありません。

さて、今回最も正解率の低かったのは「子故の闇」でした。出題者も知りませんでしたが、藤原兼輔の歌「人の親の心は闇にあらねども子を思ふ道にまどひぬるかな」からきたことわざです。なぜ親はいとも簡単にだまされるのか、このことわざが見事に言い表しているように思います。まあ「母さん助けて詐欺」はやめて「子故の闇詐欺」にしましょうなんて言うつもりはありませんが。

「睫を読まれる」も出題者が知らなかったことわざです。「眉唾」は、眉に唾を付けるとキツネに化かされないという俗信に基づく言葉で、その類似句と思われます。ところで「まつげエクステ」という言葉、ご存じですか? 記事で初めて目にしたとき「は? まつげエステの間違いか?」と思ってしまいました。正式には「まつげエクステンション」。人工まつげを植毛する施術で、無免許で行う業者が増え、被害も報告されているそうです。これも、図らずも死語同然の昔のことわざが教訓として生きているような気がしました。

次に難しかったのは「誰何」。出題者の個人的な思い出で恐縮ですが、学生寮の黒板に「不審者を見かけたら誰何すること」という注意書きがありました。少したって誰かが「誰何」を「誰か確認すること」に直しました。またその後、多分初めに書いた人が「誰何」に戻し「すいか」とルビを振っていました。おそらく、初めに書いた人は「正しいのになぜ直す」と戻したのでしょう。しかし、こういう告知はみんなが知っている言葉を使わなければ意味がありません。だから、直した人は結果的に、例えば官庁で使う難解な言葉を分かりやすい言葉に直して報道する、新聞に通じる直しをしていたとも思えます。もちろん、その後「誰」が常用漢字に追加されたものの「スイ」の音読みは採用されなかったなどの事情は、当時の学生たちには知るよしもないのですが。

「騙る」は「語る」と間違えちゃ駄目ですよという校閲的なメッセージを含んだ出題です。時に目にする「子供の名を語る詐欺」は「騙る」が漢字では正しく、常用漢字ではないので「かたる」と直します。しかし、辞書によれば両者は同源ということ。こういう場合「間違い」「正しい」という言葉を使っていいのだろうかとよく迷います。あくまで校閲的なルールにおける正誤とご了解ください。

今回「唆される」が最も高い正解率でした。常用漢字表内の読みですが、それでも20%の方が読めないということは、難しかったともいえます。間違った選択肢に唆されただけかもしれませんが……。

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