漢字クイズ(テーマ・落語)結果

6月3~7日の回答割合は次の通り(★が正解)。
饅頭怖いうなぎあたまこわい0%まんじゅうこわい★93%まんずこわい7%
二階騒きにかいうるさき17%にかいどよめき20%にかいぞめき★63%
木乃伊取りカルタとり7%きくらげとり8%ミイラとり★84%
箍屋ざるや10%たがや★63%ひごや27%
唐茄子屋からなすや24%とうなすや★62%ぼけなすや14%

昨年に引き続き、「寄席の日」を契機にした落語シリーズということでお送りしました。

問題作成者としましては、CDやDVDなどで入手・視聴可能な話から選んだつもりですので、「どこかで聞いた覚えがある」ものが多かったのではないでしょうか? 実際に、正答率は低いものでも6割を超えていました。

「饅頭怖い」は「饅頭」の読み方さえ分かればどうということはなく、正答率は9割を超えました。この話、江戸と上方で筋立てや演出が大きく異なることでも有名です。全体的な構成、つまり前半で「自分の怖いものは何か」というやり取りが盛り上がる様子を描いてから、「実は饅頭が怖い」と打ち明けた男を怖がらせようとする下りに進むのは東西共通なのですが、江戸落語では前座でも演じるような軽めで短い話なのに対し、上方では前半の「怖いもの」のくだりを、怪談じみたエピソードやキツネに化かされた話なども交えてたっぷりと演じるため、大ネタとして扱われています。あくまで個人的な印象ながら、上方落語は笑いが取れそうな所で全てしっかり取りにいくのに対し、江戸落語は全体的にバランスの取れた構成・展開を良しとするような感があります。どちらが良い悪いということではなく、聞き比べてみるのも一興かと存じます。

「二階騒き」の正答率は6割強。「騒(ぞめ)く」という読み方は浄瑠璃にもよく出てきますし、地域によっては今でも通用するかもしれません。話としては、突拍子もない前提から思考実験を繰り広げるような面白さがあります。この点では例えば「あたま山」などとも似ているわけですが、昔の人も現代人も、前提となる常識や概念は時代につれて変化しているにせよ、発想を展開させる力そのものはあまり変わっていないような気にさせられます。聞きどころといえば、やはり「月に40日」あるいは「週に10日」吉原に通うという若旦那が、うんちくやこぼれ話をまくし立てる下りでしょうか。

「木乃伊取り」の正答率は84%で、今回の出題の中では高い方でした。「木乃伊」という表記は、元はオランダ語ともポルトガル語とも言われますが、いずれにせよ西洋から伝わった語に中国で漢字が当てられ、そのまま日本に入ってきたものです。ミイラが薬種として珍重されたのは、洋の東西を問わなかったようです。六代目三遊亭円生、また一昨年に没した立川談志の口演はCDになっており、今でも入手しやすいので、聞き比べてみてはいかがでしょうか。

「箍屋」は、普通は「たが屋」とひらがな表記されるのですが、それでは問題にならないので漢字で書かせていただきました。正答率は63%でしたが、言葉としてはご存じでも現物をご覧になったことはない方は多いかもしれません。派手に花火が打ち上がる下で刃傷ざたが起こるという話で、本来は無礼を働いたたが屋の首が飛ばされるというサゲ(落ち)だったものが、いつからか逆に侍の首が飛ぶ方が主流になったといわれます。つじ斬りや無礼討ちが出てくる話は他にも「首提灯」や「胴斬り」などが残っていますが、それも当時の人々にとっては現実的な脅威だったからこそでしょう。

最後に「唐茄子屋」、正答率は62%と、僅差ながら今回の出題分では最低でした。元々は「唐茄子屋政談」と呼ばれていました。「政談」とある落語は、お裁き、つまり裁判にかけられる場面が出てくる話です(他に「佐々木政談」「鹿政談」など)。「唐茄子屋政談」の場合ですと、前半でカボチャの行商をさせられる羽目になった若旦那が、後半では騒動に巻き込まれて訴えを起こされます。しかし最近では、長さが敬遠されてか、お裁きの場面まで進まずに上演を終えることが多くなりました。「政談」の場面をやらないのなら、というわけで単に「唐茄子屋」と称することが増えてきたようです。

以上、長々と失礼いたしました。果たして「続きはまた来年」となりますかどうか……。

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