漢字クイズ(テーマ・回顧)結果

4月30日~5月2日の回答割合は次の通り(★が正解)。
疾ううしなう10%とう★48%わずらう42%
駒隙こげき13%こますき29%くげき★58%
「三省」するさんしょう19%さんせい★75%みかえり6%

この週は大型連休のため3回でした。テーマは「回顧」。

昭和の日を意識したものですが、憲法改正論議がかまびすしいなか、憲法記念日に比べいささか影が薄い休日でしたね。本当はこんな時だからこそ、昭和の功罪をきっちりかえりみなければならないと思うのですが。

「疾う」は毎日新聞紙上の「週刊漢字」では「疾うの昔」で出題しました。これで3択にすると簡単すぎるので「の昔」を外しましたが、難しくなりすぎたでしょうか。でも半数近く読めているのはさすがといえるかもしれません。

「駒」「隙」はともに2010年に追加された常用漢字です。ただし「隙」は「ゲキ」「すき」の音訓ともに常用漢字表に掲げられたのですが、「駒」は「こま」の訓のみです。「駒」の音読み使用例が少なかったからでしょう。しかし競馬の記事では「産駒」は頻出します。毎日新聞としては「産駒」はルビなしで使えるがそれ以外のク、例えば「白駒」は「はっく」と振り仮名をつけると定めています。隙も読み仮名を付けなければなりません。

「三省」は、手前みそですが、毎日jp内の「毎日ジャーナリズム」というページに「校閲発・再思三省」と題する連載を始めたこともあっての出題です。再思三省という四字熟語は、見出し語としては国語辞典でなかなか見つかりませんが、太宰治の1943年のエッセー「金銭の話」に使用例があります。時局に合わせてか「お国の役に立ちたい」と書きつつ貯金ができないことを嘆くばかりで「やりくりが上手でないのであろう。再思三省すべきであろう」と反省します。戦争のさなかの文章なのに、太宰治らしいどこかユーモラスな自省ぶりが楽しめます。

三省といえば、辞書で有名な「三省堂」を連想される方も多いでしょう。出典は「論語」の「われ日にわが身を三省す」。「三省堂国語辞典」は現在、改訂作業中だそうで、編集委員の飯間浩明さんが「辞書を編む」(光文社新書)でその裏話を記しています。いうまでもなく映画「舟を編む」に合わせていますね。また、辞書大好き芸人のサンキュータツオさんが書いた「学校では教えてくれない!国語辞典の遊び方」(角川学芸出版)は、なんと、いろんな辞書を擬人化して絵入りで説明しています。「新明解くん」(新明解国語辞典)は「地方出身の野生派」として、「都会派インテリメガネ君」の「岩国(いわこく)くん」(岩波国語辞典)とライバルだけど、ヒロインと最終的に結ばれるのは「新明解くん」――と筆者は妄想します。ヒロインって誰だよ(笑い)。

つい先日もNHKBSプレミアムの「ケンボー先生と山田先生」というドキュメンタリーで、同じ三省堂の辞書に携わりつつ対立していく2人の編者のドラマが描かれました。事実は小説より奇なり。「舟を編む」はすばらしい小説と思いますが、辞書の歴史を回顧すると、それ以上に面白いかもしれません。

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