漢字クイズ(テーマ・仏教)結果

4月8~12日の回答割合は次の通り(★が正解)。

灌仏会かんぶつえ★86%がんぶつえ13%けんぶつえ2%
釈迦牟尼しゃかむあま2%しゃかむに★94%しゃかむひ4%
梵唄ぼんうた14%ぼんじゅ23%ぼんばい★64%
再建勧進さいけんかんしん7%さいけんかんじん33%さいこんかんじん★60%
生老病死いきおいやみしす4%しょうろうびょうし★59%せいろうびょうし38%

この週は「仏教」がテーマでした。

釈迦(しゃか)が誕生した日ははっきりしませんが、旧暦の4月8日とされています。しかし今では新暦の4月8日に「花祭り」として祝うところが多いようです。日本ではいろいろな花が咲き始め、学校も新学期になる時期ですから、この方が好まれるのでしょう。

漢字クイズでは以前もこの時期に合わせて仏教をテーマにしました。仏教関連語は数限りなくあります。しかしその中で今も生きる言葉を選ぶのは、それなりに四苦八苦します。

今回最も正解率が低くなったのは「生老病死」でした。四苦八苦の四苦にあたる言葉ですが、「生老病死」は載せていない辞書もあります。また「空見出し」にして「四苦」を引くよう誘導する辞書もあります。これらは「生苦・老苦・病苦・死苦」が四苦であり「生老病死」という言葉は元々ないという考えに基づくのでしょう。

しかし、たとえ元からある言葉ではないとしても、今の日本では本の題名などによく使われています。毎日新聞でもこの言葉をタイトルに入れた連載記事がありました。その連載ではありませんが、「生病老死」という順序が違う言葉を見出し、記事ともに使って「訂正」になったことがあります。ですから校閲としては、この言葉が出てくるたびに「えーと、どっちだっけ」と辞書を調べることが多いので、載っていないと実際困ります。

同様に「再建勧進」も、この4字のまとまりとしては辞書にはないでしょう。お寺関係では「再建」を「さいこん」と読むということが出題の眼目。仏教がらみということを明示するため「勧進」を加え、さらに解説で歌舞伎の「勧進帳」に触れるという、けっこう欲張った問題でした。

次に難しかったのは「梵唄」。東大寺のホームページで見つけた言葉です。一般的な言葉ではないのですが、思ったほど悪い数字ではありませんでした。唄は常用漢字になりましたが、読みは「うた」だけであり音読みは認められませんでした。ただし北海道に「美唄(びばい)市」もあるし、音読みは全く使われないというわけではありません。

「灌仏会」「釈迦牟尼」は簡単だったようです。ちなみに「そそぐ」はふつう「注ぐ」と書きますが、「灌ぐ」とも書きます。仏様に甘茶を灌ぐから「灌仏会」なのです。

灌仏会の解説で「おしゃかになる」の語源説を紹介しました。4月8日にかけて「し(火)がつようて」金物づくりに失敗したとのこと。堀井令以知「ことばの由来」(岩波新書)では、別の説として「地蔵や阿弥陀を造るつもりが、誤って釈迦を鋳てしまったこと」なども紹介したうえで「ほかに具体的な事実が見つからないので、四月八日をもじったしゃれ説の方が有力」とします。これに対し金田一春彦「ことばの歳時記」(新潮文庫)は「どうも話がうますぎるようだ」と疑問を示しています。出題者も、一般的に面白い語源説は眉に唾をつけた方がいいとされるので、怪しいと思っています。これは一介の素人の漠然とした新説(?)ですが、死ぬことを「お陀仏(だぶつ)」ということの連想で、駄目になることを「お釈迦」といったと考える方が素直ではないでしょうか。

それにしても語源は「お釈迦様でもご存じない」ものが多いですね。だから面白いとも言えますが……。

最近の「読めますか?」


校閲グループのお薦め本
「毎日ことば」のアカウント 
「毎日ことば」トップページへ
最近の記事
 
Top