漢字クイズ(テーマ・書道)結果

1月21~25日の回答割合は次の通り(★が正解)。
千字文 せんじもん★ 61% せんじぶん 15% せんじふみ 24%
極札 きわめふだ★ 68% きょくさつ 13% ごくふだ 19%
入木道 にゅうもくどう 16% じゅもくどう 33% じゅぼくどう★ 51%
水茎 ずいき 40% すいけい 29% みずくき★ 31%
楷の木 かいのき★ 49% とどのき 11% はしのき 40%

by uffizi.chu
この週は「書道」がテーマでした。

いま東京・上野の東京国立博物館で「書聖 王羲之」展をやっております(3月3日まで)。大昔から書の手習いといえば書聖・王羲之でした。

書道関係だけでなく、日本語の歴史などの本にも、万葉仮名の説明で王羲之への言及があります。万葉集の歌で「義之」を「てし」と読ませるものがあるそうです。王羲之は奈良時代、手習いの先生という意味で「手師」といわれた関係で、義之は本来羲之ですが「てし」と読ませたということです。暗号みたいですが、万葉仮名にも王羲之への傾倒ぶりがうかがえます。昔から義と羲の字は書き間違えられやすかったということも面白いですね。念のため付言すれば、羲は義の旧字ではなく別字です。

その王羲之が若いころ「校閲」をしていたって、ご存じでした? 出題者が知ったのは、石川九楊さんの「やさしく極める”書聖”王羲之」(新潮社)から。正確には「秘書郎」という官職で、これは図書の管理や校閲が仕事だったといいます。校閲といっても今の校閲とはまったく別で、今でいう司書の仕事に付随するようなものだったかもしれません。ただ大漢和辞典で「秘書郎」を引くと「校閲脱誤」という漢文が見えますので、案外私たちの仕事に近い部分もあったのかなとも思えます。

さて、正解率ですが、最も低かったのが「水茎」というのはこの3択クイズならではかもしれません。「みずくき」だと簡単すぎると思われたのでしょう。正解よりも多かった「ずいき」は「芋茎」と書き、サトイモの茎を表します。

類語辞典で「水茎」の語を見つけた直後、昨年暮れに亡くなった小沢昭一さんの「小沢昭一的こころ 泣け!お父さん」(新潮文庫)の中に偶然この言葉を見いだしました。

「江戸時代のオイランですと、『ゆうし波の上を御かえらせ、御館(おやかた)の首尾いかがおわしますや(中略)』なんて、水くきの跡うるわしい名文を書いて寄こすのでありますが、彼女の場合は、金釘の跡たどたどしい」

このおいらんのせりふの元ネタは落語と思われますが、活字ではなく小沢昭一さんの声で聞きたかったですねえ。

それはさておき、「入木道」も類語辞典で見つけた漢字です。つまり出題者自身知らなかった語なので、いくら低くても驚きません。むしろ半数以上もよく読めたと思います。

「千字文」も予想以上に正解率が高いと思いました。出題者など「ぶん」かなあという感じで読んでいたのですが。「千の文字(もんじ)」と覚えれば間違えることはありませんね。

「極札」も送り仮名をあえてつけなかったので難読と思ったのに、今回最も高くなりました。もしかして「極め付き」の語源になったと言いたいための出題だったの、バレバレでした? AKBの板野友美さんが「鑑定書付き」と言うCMがありますが、それが「付け」とならないように、「極め付き」が正しく、「極め付け」は変な言葉と述べたかったのですが、このサイトの読者には言わずと知れたことだったのかもしれません。

「楷の木」は、千葉県の成田山書道博物館と東大で見かけたのを覚えていたことで出題しました。出題者は東大出身ではありませんが、初詣で成田山新勝寺に行った時に楷の木に出合いました。そういえばきょうは節分。新勝寺は豆まきでも有名です。もし行かれたら、ついでに楷の木をご覧になってはいかがでしょう。

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