漢字クイズ(テーマ・豆)結果

1月28日~2月1日の回答割合は次の通り(★が正解)。
豆占 とうせん 48% まめうら★ 31% まめせん 21%
肉刺 いわし 15% まめ★ 55% めざし 30%
豆苗 とうみょう★ 56% とうびょう 26% もやし 19%
乾煎り からいり★ 81% かわいり 8% かんいり 12%
豆幹 とうかん 49% まめすじ 8% まめがら★ 43%

この週は節分にちなみ「豆」がテーマでした。

今回最も正解率が低かったのは「豆占」。かつてはいろいろな土地で行われたようですが、毎日新聞データベースで調べると現在もある行事として取り上げられているのは福島市民家園のものだけ。これでは正解率も低くなるはずです。ただし「占」を「うら」と読む例は辻占(つじうら)など他にもあり、それに気づいた方は正解できたかもしれません。

「肉刺」はテーマがそのまま答えになるという珍しい問題でした。それなのに数字が低いのは、「まめ」と「刺」の字が結びつかなかったせいでしょうか。

「豆苗」も思ったより読めなかったようです。10年前くらいからスーパーで見かけるようになっていると思うのですが。写真は出題者の家で育てている豆苗。買って食べて育てて再収穫した後の2巡目なので、伸びる勢いは1巡目ほどではありません。

「豆幹」。これの代わりにニンニクをつるす所があるそうですが、吸血鬼伝説が渡来する前からあるのかどうか興味深いところです。

「乾煎り」は今回最も正解率が高くなりました。解説で記した「空煎り」の表記を採用している辞典とは「改訂調理用語辞典」(全国調理師養成施設協会編)です。国語辞典では、探せた範囲では「三省堂国語辞典」が「空炒り」を掲げているのが、唯一の「空」の例。あとは「乾煎り」がほとんど。ということは、「空煎り」の「空」は少なくとも「から」と仮名書きに直すのが無難だと思えます。

一方で「乾炒り」の表記をとる辞書はなぜか一つも見つかりませんでした。「いる」単独だと「煎る、炒る」などと「炒る」も併記する辞書が多いのですが。これは単に複合語に考えられる全ての漢字の組み合わせを入れられないという編集上の都合なのか、それとも「からいり」だと「炒」の漢字はふさわしくないとほとんどの国語学者に判断された結果なのか。そもそも「炒る」と「煎る」の使い分けをどう考えればいいのか。辞書は必ずしも答えてくれません。最近改訂されたばかりのある辞書では、「煎」は火で熱し焦がす、「炒」は鍋などで熱し焦がす、油でいためるの意とするが、明確には使い分けにくい、と誠に正直にさじを投げています。

「煎」は2010年に追加された常用漢字です。以降、新聞で大手を振って使えるようになったのはいいのですが、困ったのは「煎る」「炒る」の使い分けをどうするか。これまでともに常用漢字でないから平仮名にすればすんだのですが、「煎」が使えるようになったことで「炒る」との差別化を図らねばならなくなりました。ところが「肝煎り」は「肝炒り」にならないね、コーヒー豆は焙煎という漢字があるように「煎る」でしょう、などと分かりやすい例はいいとして、「いり卵」「いり豆腐」「いり鶏」あたりはどちらか。そして「大豆をいる」は? 迷ったら平仮名という判断はあるのですが、せっかく使えるようになった「煎」の字を前のように平仮名にしていいものか、これまた迷います。

結局、毎日新聞では「煎り豆」「煎り鶏」と決めましたが、「炒る」の表記習慣が強いものは仮名書きと、曖昧な部分を残しています。漢字の使い分けは「福は内、鬼は外」などと単純には分けられないから困ったものです。
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